お隣の美少女艶元さんとロン毛のオレが髪を切ったらまさかの有名人に⁉︎てか、艶元さん…そんなんいいんっすか⁉︎

猫の集会

キモロン毛

 うっわーぁ…

 今日もお美しい艶元つやもとさん。

 名前同様、髪も艶々!

 

 学年で一番の美人と呼ばれている艶元 カレンさんに見惚れていると隣にいた友達が

「艶元さん今日もきれいだなー、おまえの髪はモッさいけどよー」

 とオレの髪をパッさんと手で払う。

 

「‼︎やめろや〜」

「瀬野、おまえさー髪切れば?」

「あー、そうなんだけど散髪ってのがどうにも面倒でよ」

「オレの爺さんでもちゃんと散髪してるぞ」

「爺さんと一緒にすんな…オレさ髪切る時話しかけられんのやなんだよなー」

「なら本読んどけよ」

「あー、まーなー…」

 遠くを見つめだすオレ。

 

 そしてモサモサのロン毛が風に舞う。

 

 きたねー。

 …うん。

 自分でもそれはご理解の上でなんです。

 

 でもさー、前髪とか月一とかで切らないとさー、まぶたに髪の毛が何本も突き刺さってくるじゃん…あれがウザいんだよなー…

 

 まつ毛‼︎おまえもっと仕事しろ!って話だろうよ。なんのためにそんなにたくさんうまれた時にオプションでつけたと思ってんだって言いたくなる。

 

 ちなみにオレの前髪は、まぶたにあたるのが嫌なので鼻のあたりまで伸びている。

 

 まぶたに当たらなければとにかくいいので伸ばし放題だ。

 

 前は一応みえる。

 

 とにかく‼︎

 髪は短いと逆に面倒くさいって話だ。

 

 それに長くても誰にも迷惑かけてないはず…だろ?きっと…うん。

 たぶん…な…

 

 髪の毛のことを語りだすととまらない…

 

 そんなくだらないことを語っていたらいつのまにか放課後…

 

 さて、帰りますか。

 

 友達は、彼女と帰るからお先〜♡なんてウキウキで帰って行った。

 

 もちろんオレは彼女なんているわけがない。

 

 ボサボサの髪を風になびかせながら歩いた。

 

 …てか、なびくなびく。

 

 ⁉︎

 

 なびくとかの騒ぎじゃなくね⁉︎

 

 ‼︎

 強風かと思えば…

 いきなりの土砂降り…

 

 オレの髪は、いきなりの土砂降りで一瞬でぺたんこになった。

 

 クソー…

 傘忘れたー…

 

 とりあえず走ればいいだろうと、そこそこ全力疾走した。

 

 すると…

 

「あのっ…」

 と可愛らしい声がオレに向けて発せられた?

 

 えっ?

 今妖精みたいな可愛らしい声が聞こえてきましたよ?

 

 辺りを見渡すがそこにいるのはオレと傘をさした美しい女性…だけだった。

 

 ⁉︎

 

 まさかの艶元さん⁉︎

 

 えっ⁈

 オレに話しかけてきましたよ?

 

 はっ⁉︎

 

 走ってたから制服に水がかかっただろーがよーって事か⁈

 

 それはオレが悪い。

 クリーニング代をお支払いせねば。

 

「あー、はねました…よね。すみません。今クリーニング代を…」

 ゴソゴソとバックをあさりお財布を…

「えっ?ううん。そんなの大丈夫だよ。それよりこんなに濡れて…風邪ひきますよ?」

 とオレも傘に入れてくれた艶元さん…

 

 や、優しすぎません⁉︎

 一日一回人助けゲームされてます⁇

 

 …

 

 ポタポタとオレの髪から雫が垂れ落ちた。

 

 どうせもうずぶ濡れだし、傘に入れてもらったら艶元さんが濡れてしまう。

 

「あ、傘入れてくれなくて大丈夫だよ。で、なんか呼び止められた気がしたけどなんだろう?」

「えと、よかったら傘にお入りくださいと…いうつもりで…」

 

 ‼︎やっぱり優しいのかよ⁉︎

 

 てか、敬語かよ‼︎

 このオレなんかに…

 

「あのさ、オレもうこの通りだし…急いでるから…その、ありがとう!」

 と傘から出てまた走り出した。

 

 艶元さんから話しかけられた‼︎

 てか、一瞬だったけど傘に入れてもらったぜ。

 

 今日は、最高の日だぜ‼︎

 

「ただいまー」

「あんた傘は?」

 最高の日からのいきなりの冷たい母。

 びしょ濡れのオレに冷たい視線の母登場…

 

「忘れた」

「はぁ⁇朝持っていきなさいって言ったわよね⁉︎」

 …オコだ。

 

「すみません…しかし、おかげでいい一日になりました!」

 と全力の笑顔!

 

 すると母は、呆れてタオルをくださった。

 

 しかもホカホカのタオルを。

 

 オコの母さんには、刺激不用。

 

 足早に部屋へと入り艶元さんを思い出して喜びの舞をしたのでありました。

 

 ありがとう。艶元さん。

 

 そしてもう二度と話すことはありませんがこの思い出を一生の大切な一ページとして心に刻ませていただきます。

 

 と拝み眠りについた。

 

 しかし次の日‼︎

 まさかなことがおきたのです。

 

 続く。

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る