5. 気まぐれ ~女神リディアside~
5. 気まぐれ ~女神リディアside~
この世界の因果律を管理する女神。彼女の名前はリディア。つい先日、気まぐれで世界の最難関ダンジョンに置いた魔法アイテムの遺物を使った勇者がいた。
今までも何度かその遺物を置いていたが、実際に使われることはなかった。というより、『本当に必要な人物』がいなかった。
しかし今回は違った。
「さてさて。今のところ順調に生きてますね。それにしても……まさか性別を逆に転生するとは思いませんでした。エルク……いや今はイデアでしたね。」
女神リディアの仕事は世界の秩序の管理。こうやって特定の人物の生涯を監視することはあってはならないし、今までもない。だってどんなに抗っても結末は変えることなどできない。それが運命だから。
でもまさかあの時、『魔王とは戦いたくない』と言われると思っていなかった。予想外の回答に驚いたのも事実。しかしそれで不思議と興味が湧いたのだ。そしてもしかしたらその運命すら変えてしまうのでは?と期待を持ったのも事実。
「……あなたの人生はまるで黙示録」
黙示録とは、「隠されていた事を明らかにした」という意味がある。つまり「秘密の暴露」である。
「でも、一度動き始めた因果は正しい道筋に修正しようとしていきます。あなたはその因果に抗い、今回の人生も精一杯輝きを見せてください。これは『イデアの黙示録』なんですから」
そう微笑みを浮かべ、女神リディアは水晶玉を覗く。そこには長い金髪を赤いリボンで結んだ少女が映っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます