励ましSONG人工知能

夏秋冬

第1話 励ましSONG人工知能

人工知能が気軽に利用できるようになったので田中ヨシタカはそれに興味を持って面白く使っていて、テキストベースの話し相手のように使っていた。

「今日は仕事で失敗があって上司にすごく怒られたんだよ」そうchatAに打ち込むと

「誰にでも失敗はあります、気にしないで前を向いていきましょう」といったAIの返答に癒やされていた。

しかしAIの進化は日進月歩で、参照すべき構図を提示して画風を指定すると、その指定に見合った画像を提示するようになっていった。

そして、楽曲を提示して「似た音楽を生成して」と指示すれば、コード進行や音色を少しずつ似た感じにしてオリジナルの楽曲を生成してくるほどに進化した。


ある日、田中ヨシタカはとても仕事で落ち込んでいて、AIに

「とても辛いんだ、この気持ちを癒やしてくれるような曲を生成して」と語りかけると、AIは

「辛いですね、あなたの気持ちは分かります、少しお待ち下さい」と答え

「それではお聞き下さい」と曲を披露した

その曲は

「負けないで」

「あなたが悪いわけじゃない」

「未来には希望がある」

「前を向いていきましょう」

「ポジティブな姿勢が未来を良くする」

「効率が重要よ」

といった歌で、それを聴いた田中ヨシタケは

「こんなんJ-Popの励ましソングやんけ!」と怒りに震えてPCを壁に投げつけて破壊し、電子基板が散らばった部屋で、俺はずっと騙されたんだと涙を流しながら強い酒をあおったのだった。

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励ましSONG人工知能 夏秋冬 @natsuakifuyu

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