北欧発祥の家具店にありそうな"ぬいぐるみ"【KAC20232参加作品】
あらフォウかもんべいべ@IRIAM配信者
第?話 リトルビッチとぬいぐるみ
◇
「ナギ…あんた寝ぼけ過ぎとちゃうんか?」
「あ?…ウィラか?…おはよう、どうした?…青い顔して…具合でも悪いのか?」
「ナギ、それうちやない…サメのぬいぐるみや!」
「ん?…サメ?…春雨スープなら戸棚にあるぞ…」
「せやな、カロリー気にする女子のお供やな…って春雨ちゃうねん!うちサメ言うとるやないか!お湯沸かすんかい!」
「んあ?…目覚めのコーヒー?…それも戸棚…ウィラ、寝惚けてないで起きろ…」
「寝惚けてるのはあんたやろ!なにうちとサメを勘違いしとんねん!はよ起きんかい!」
「朝から喧しい…な、ウィラ?」
「せやからそれうちとちゃうわ!そらサメ言うとるやないかい!」
「………ん? あれ…ウィラ、お前サメだったのか?」
「いましゃべっとるうちは誰やねん!?」
「…あ、おはよう、ウィラ…」
「おはよう、ナギ」
「うん、あたし…サメに話しかけていたのか?」
「せやで、なにうちを軟骨魚類に退化させとるねん?」
「「HAHAHA!」」
「おかしいと思ったよ、ウィラにしてはモフモフし過ぎだし、寝相が良すぎる」
「そら寝相悪いサメのぬいぐるみやったらな、ホラー映画やろ?」
「違いない」
「「HAHAHA!」」
「まったく、うちの寝床にどでかいサメのぬいぐるみを置いたらな…ナギをとられてまうし…妬いてまうやろ?フカヒレにしたろか?」
「いや、そもそもお前…ここ、あたしんちなんだけど?」
「あ、せやった…」
「「HAHAHA!」」
「ま、お前が上がり込んで来ない日はさ、ぬいぐるみに癒されているからつい…」
「そらナギの等身(187cm)やと抱き枕あった方が楽やろな?…牛久大仏やし、お胸がチョモランマやし…」
「ああ、このサメのぬいぐるみ(150cm)が無いとさ、落ち着いて寝れねえんだ…」
「ほんまサメのぬいぐるみ様々やな。獰猛なナギを骨抜きにしちょるんやからな?」
「ああ、サメより獰猛な奴が口を開いている訳だが…」
「そらうちのこと言うとるんか?」
「都合が悪いときにドイツ語で捲し立てるだろ?またお前に告白した奴がベソ書いていたぞ?」
「…ちゃうねん、そらうちの外面しか見とらんかったらそうなるやろ?」
「確かに、美人は大変だね」
「そらあんたも大概やろ?」
「「HAHAHA!」」
「それにお前は性格悪いからな」
「性格悪いのは余計や!」
「「HAHAHA!」」
「ま、いつかお前にもサメのぬいぐるみみたいな、素敵な王子様が来るだろうよ?」
「ふっふっふっ、そらいつかは…いや、それ都合良すぎる男とちゃうか?」
「確かに、あたしのサメのぬいぐるみみたいにさ、ワガママ放題のお前を受け入れてぞっこんな男………20年後ぐらいには現れるんじゃない?」
「気が遠くなるわぁ…そん頃にはうちらおばはんやで?」
「「HAHAHA!」」
「ま、サメのぬいぐるみと寝相の悪い抱き枕…どっちもあたしにはしっくりくるね」
「そらあんたのタッパが牛久大仏、お胸がチョモランマなんやから、それなりのもんや無いとあかんからな?美人でかわええうちの抱き心地なんて最高やろ?」
「ああ、寝相悪いけど最高にフィットするお前(168cm)のおかげでさ、あたしのチョモランマの置き場に困らない訳さ」
「ふっふっふっ、チョモランマはうちとサメちゃんで山分けやで?」
「ああ、あんまりイタズラするんじゃねーぞ?」
「………」
「おーい、どうした?」
「…あれや、うち寝相も性格も悪いから保証せんで?堪忍してや?」
「そうだった…」
「「HAHAHA!」」
「そんな事よりもナギ!…今日はどこ出掛けるんや?」
「ああ、とりあえず朝食食べてから考えようぜ」
「せやな、そんじゃキッチン借りるで?たまにはうちが作ったるわ」
「おっ、ありがとう…ウィラ、お前やっぱり変じゃないか?顔色青いし…」
「ナギ!それうちちゃう!サメのぬいぐるみや!さっきから喋っとるうちは誰やねん!?」
「…冗談だよ、よしウィラ、お前も顔洗って歯を磨け…ところでお前、どうやって歯を磨くんだ?」
「うちもう済ましとるがな!せやからそれうちやのうてサメのぬいぐるみや!なにまだ寝ぼけとんねん?もうええっちゅうねん!」
「「HAHAHA!」」
「ま、サメのぬいぐるみと違って優秀な目覚ましだ」
「寝相悪いんやけどな」
「あ、やっぱこっちが良いかも」
「なんでやー!うちサメのぬいぐるみに負けとるやないかーい!」
「「HAHAHA!」」───。
◇
北欧発祥の家具店にありそうな"ぬいぐるみ"【KAC20232参加作品】 あらフォウかもんべいべ@IRIAM配信者 @around40came-on-babe
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます