武芸者〜勇者召喚された高校生は隣国で出会った仲間と一緒にのんびり冒険者ライフを送りたい〜

Mにゃん

プロローグ

《異世界召喚》

俺の名前は港川海。高校2年だ。昼休みに購買所でいつも買ってるパンを買って教室に帰ろうとしたら、次の瞬間、強烈な光に包まれ目を開けると見知らぬ部屋にいたのだ。

「「「ここどこだよ。」」」

見事に他の男子2人と声がハモった。

「「勇者様この世界をお救いください。」」

はあ?この人らふざけてんの?

「いやどういうことだよ。勝手に連れてきてそれはないだろ。」

そうかもしれないけど言い方あるだろ。

「元の世界に帰れるんだろな。」

まさか巷で有名な異世界召喚とか言ってんのか?厨二病すぎだろ。誘拐かドッキリ疑え。

「説明するので、付いてきて来てください。」

大臣らしき人から説明を聞いてみるとどうやら魔王を倒して欲しいらしい。いやふざけんな。なんでなんの恨みもない見ず知らずの人を殺さないといけないんだよ。巻き込むな。

そして玉座に着く。すると一番偉そうなおっさん、たぶん王様だろうけど口を開いた。

「@/&#¥$€%*#$/#&&#/##@ワースト=シュドラン=31世#*$」

えっなんて言った?大臣の言葉は分かったのに。

「勇者語でしゃべらなくともよいのですか?」

「/&/&/##/@$€¥%#*」

全然分からんつーの。けど名前がワースト=シュドラン=31世だと言うことは分かった。名前は日本語、いや勇者語ででも聞き取れるのか。あと長えーよ名前。

「俺は風祭真治。17歳だ。」

「吉良貴久です。16です。」

自己紹介する流れなのか?

「え〜と俺は港川海です。歳は17でこちらの国のことは分からないところがあると思うのでよろしくおねがいします。」

一応目上の人らしいから丁寧に名乗った方が良いだろう。

「私は蛇白鈴です。年齢は18です。」

「勇者様、ステータス魔法を使って自分のステータスを確認してくだされ。」

えっとどうするんだ。あっ開いた。

__________________

港川海 異世界召喚に巻き込まれし者 L v.1

職業・・・武芸者

装備・・・異世界の制服、リュック

スキル・・・?

__________________

武芸者?スキル?何だそれ?

「&/@$¥€\|/」

「俺は銃の勇者だ。」

なんでこいつ言葉分かってんだ?

「ぼくは剣の勇者です」

「私は魔物使いです。」

勇者じゃないのか。だったらよくわからない職業“武芸者”でも言っていいだろう。

「俺は武芸者だけど。」

畏敬の目が侮蔑の目に変わった瞬間だった。

「さっさとでていけ。この狼藉者が、役に立ちそうにない職業ジョブはいらん。目の前から消えろ。」

態度変えやがって。呼び出したのお前らだろ。

「ふざけんなよ...。」

「ふざけておらんが?さぁとっとと出てけ!」

この言葉を聞いた時俺の中で何かがプツンときれた。

「出ていきますよ。お望み通り。閣下。」

イラっとした俺は感情に任せ最後に捨て台詞だけ残して出て行くのだった。

「ちょっとおka...」

誰かが反対しているようだが知るか。

************************

その後出て行った俺は購買所で買ったパンを食べて数日過ごしていた。購買所のおばちゃんマジでありがと。もし帰れるなら真っ先に感謝せねばならない。

「えっと海くんだっけ。」

でっかい犬連れてる人誰だっけ?なぜ俺の名前を知っている?

「何でしょうか?」

「私、蛇白鈴。海くん、制服とカバンのまま行っちゃったから。冒険者っぽい服とお金渡すね。お金の価値かいた紙も入ってるから。」

あっ俺を追い出すの反対してた犬連れの人か!なんかひどいなー俺。忘れてたし。

「ありがとうございます。」

「じゃあ。」

カバン(中身込み)までもらってしまった。人気ひとけがない場所で着替えカバンの中身を見てみる。いろいろ入ってるわ。こんなにもらってしまっていいのか?詐欺に思えてきた。もしこれが詐欺じゃなかったらあの人お人好しすぎないか?

…そしてしばらく歩いていて気づいたがここの国の文字ヘボン式ローマ字だ。一から覚えずに済んだ。路地裏に入ると武器屋があった。今思い返すとなぜ入ったか記憶にないが引き寄せられるようにふらふらと入って行ったのだ。

とりあえず店内に置いてある武器は自由に試してもいいらしいので近くにある短剣で素振りをしてみる。

ー ボキッ ー

「えっ.....。」

折れた...。

「君、ちょっと来てくれないか。」

茶髪の爽やかイケメンの男性が言う。まさか店主?!やべっ。怒られる。しかし店主?は俺の予想と裏腹に

「君、この木刀を素振りしてくれないか。」

と言った。

「へっ?」

思わず間抜けな声が出た。そんなことでいいのか?一応言われたように素振りをする。手に馴染むような感覚がした。

「やっぱり君はその木刀に愛されている。私からの餞別だ。もらってくれ。」

ものすごい熱量で言われた。

「あ、ありがとうございます。」

このあと、店主にいろいろな武具(それも全部和風)やマジックポーチなるものをもらった。この店主、人良すぎないか?そのうち詐欺遭うぞ。

「こんなにもらっていいんですか?」

「いいんだよ。私は私が認めた人しかサービスしないから。それにゆくゆくは君に助けてもらうには恩を売っといた方がいいからね。」

何やら意味深な発言をされた。そしてさっきの人鈴さんにもらった武器を見せると不良品でご丁寧に隠蔽魔法までかけられていたそうだ。鈴さんも悪質な武具を掴まされたのではないかとのことである。あと朗報なのは日本語はどこでも通じるということだ。日本語万歳。この店主には後にまたお世話になるのだがまた別の話である。まさか〇〇だったとは...

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