現実超常ドキュメンタリー特派員・母親を追跡せよ

第1話ドキュメンタリーの依頼

ここは現実超常ドキュメンタリー特派員製作委員会・スタッフルーム、ディレクターの椿は退屈そうにデスクの上に頬杖をついていた。

「あーあ、なんかパッとしないな・・・」

椿は今までとは違う作品を撮影したいと思っている。今までの作品も面白かったが、内容は未確認生物・超常現象・心霊といったオカルト物ばかりだ。たまにはノンフィクションでハートフルなドキュメンタリーを撮影してみたい。

そんな中、ホームページの応募フォームに投稿が来ていた。

椿が内容を見ると、そこにはこんなことが書かれていた。

「現実超常ドキュメンタリー特派員の皆様、あたしは加藤鹿波（かとうかなみ）といいます。

今回はあたしの母親を捜してほしいという依頼で投稿しました、無理を言っているのは承知ですが何とぞよろしくお願いします。ドキュメンタリー用に撮影してもかまいません。

お返事待っています。

加藤より」

母親を捜してほしい・・・。探偵じゃないし依頼する相手を間違っていると思った椿だったが、ふとこう思った。

「待てよ・・・、これは新しいドキュメンタリーを撮影するチャンスだ！」

椿は投稿者に返事を送った。果たしてこれから、何が我々を待ち受けるのか・・・？