いのちは美しいかい

美治夫みちお

1st _2018.12

いのちは美しいかい

エゴのかたまりな

いじわるで きたない 生き方で


さらけ出せるかい

愛の卑猥さや

自分を守るための 欲望の 純粋さを


世間に裏切りがはびこることに

慣れきってしまうから


人を傷つけて

そこにいるということが

今なら すこし分かるから


完璧なんかより価値のあることを

探し出してきたのだから



火を見つめたかい

ひっそりと

つめたくなる 幼年の頃の 宝物たち


泣いてみたかい

一方的な愛で

すべてを 許されたかった 子どもよ


抱きすくめてくれる人が

ひとりいれば

そこにいられるから


虹のはしっこは見えないけれど

どしゃぶりの雨を突っ切ってゆく

君の告白は届いているから


君が生きていることを

君自身が知っているから


君のいのちは 美しいかい

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