第15話「親が凄いだけのゴミ」

岸奨吾(きし しょうご)(32)

職業:俳優

身長:167cm

体重:55kg

大手芸能事務所

"ホウケイプロダクション"所属。


特徴:整形を繰り返した不自然な顔に

非常に悪い滑舌&棒読み演技。


・上記の様な低スペ人間にも関わらず

なぜかドラマ、映画、CMに

起用されまくっている。

その理由は

両親が芸能界屈指の権力者だからである。

まず父親は自身の所属する大手事務所社長の

岸秀紀(きし ひでき)。

母親は大手レコード会社社長の

岸留子(きし とめこ)。


・過去に様々な

犯罪行為を行っている。

飲酒運転、スピード違反、当て逃げ

器物破損、恐喝、暴行

放火、淫行等々。

これらの問題を起こす度に

両親の力を使って不起訴処分にしてきた。


・凄まじい程白人コンプを拗らせており

何度も鼻高整形や彫深整形を受けている。


・好きな女のタイプは

白人、ハーフ、"未成年"。

寧々を執拗にデートに誘ったのは

彼女が上記の"3番目"に該当するため。


そんなクズ男は現在

秀吉、寧々と共に樹海にいた。



「岸、お前にはこれから

嫌がる寧々を無理矢理デートに

誘った罪を償ってもらうぜ

ちなみにこの罪は殺人より重い……

覚悟しとけよ………

で、その次は俺の私怨により

芸能界から追放をさせる

場合によっちゃこの星から

追放させる」


「ざけんじゃねぇ

一般人のガキが!!!

芸能人様をナメんじゃねえぞ!!!」


俺に殴りかかってくる岸。


「フン、アホが

チートON"全身トゲトゲ"」


ザクッ!!


「あぎゃあああああああああ!!!」


俺の体から出たトゲが

岸の拳に刺さる。


「ああああああああ!!!

俺の拳がああああああ!!!」


血で真っ赤に染まる岸の拳。

ごっつ痛そう。

でも俺は責める手を止めへんでぇ。  


「チートON"熱湯(150℃)"」


俺の右手に熱湯が入ったヤカンが

出てくる。

そしてそれを岸にぶっかける。


「フンッ!!」


ジョバア~


「あああああああ!!!!

熱い!!熱い!!熱い!!」


岸は全身に20%の火傷を負う。


「チートON"北海道産大根"」


俺の右手に新鮮な大根出現

それを使って岸をしばく。


「オラオラオラ!!!」


バキャ!バキィ!ゴキャ!


「がっ!!ぐっ!!がぁ!!」


「おい!!棒読みチビ!!

てめぇ少し前に親父の力使って

ハリウッド映画に出演したよなぁ!?

それで日本のメディアは

岸奨吾、念願のハリウッドデビューと

デカデカと宣伝!!

けど蓋を開けてびっくり!!

出番は約5秒!!

台詞なしの通行人役だもんなぁ!?

あれはマジで爆笑したぜ!!」


バキャ!バキィ!ゴキャ!


「ぐぁ!がぁ!ぐあ!」


「台詞貰えないのはしゃあねえよ!!

お前英語力ゴミだもんなぁ!?

日本のメディアや

てめぇの信者のババアどもは

流暢だとかネイティブだとか

ペラペラだとか言ってたけど

向こうの監督やスタッフ、役者達からは

全く聞き取れないって

言われたらしいじゃねえか!!

ギャッハッハッハ!!

クソダセェ!!!」


バキャ!バキィ!ゴキャ!


「がっ……!ああっ……!!」


「で!?ここ最近だと

14歳の女子中学生に現金渡して

ホテルで淫行やったんだっけか!?

キモすぎワロリンスッポンポン!!

そしてその後は両親パワーを使って

女子中学生を世間で悪者扱いにして

自分は一切謝罪会見とか開かずに

自宅に雲隠れ決めこんで

精神弱ってるアピールして

被害者気取りだもんな!?

マジでゴミ!!」


バキャ!バキィ!ゴキャ!


「秀吉様!」


急な寧々の呼び掛けに俺は

ピタッと殴る手を止めた。


「ん?どうした寧々?」  


「もう十分ですよ

もうこれ以上秀吉様が

こんなキモ男に

手を加える必要はありません」


「そ……そう?」


「ええ!

というワケで

次は私がやっていいですか?」


「ああ!もちろんだよ!」


俺は寧々に大根をパスする。


「オラァ!!死ねやこのウジ虫野郎!!

秀吉様以外の男が私をデートに誘うなんて

おこがましいにも程があんだよ!!」


ゴキャアッ!!バゴオッ!!グシャアッ!!


寧々は大根で

俺以上の力で岸を殴りまくる。

初めて見る彼女の暴力的な姿に

俺はやや恐怖を感じた。

でもやっぱり彼女は

何をやっても可愛い、本当に天使だ。


「がっ………!………あっ……!」


岸の意識が薄れてきたところで

寧々は殴る手を止め

俺にある提案を出した。


「秀吉様!

チートでコイツの両親の会社を

潰してやりましょう!」


「え?」


「会社を潰せばコイツには

何の力もなくなって

芸能界からフェードアウトしますよ」


「なるほど、でもどんなチートを使って?」


「まずチートリストを開いてもらって

カテゴリ検索から"経済"を押してください」


「了解」


ポチッ、ポチッ


「で、上から10番目くらいに

"倒産"というのがあると思うので

対象を岸の両親の会社にして

ONにしてください」


「分かった!」


ポチッ


「…………これで何か変化が……?」


「秀吉様!これを見てください!」


そう言って寧々は

自身のスマホの画面に映っている

ネットニュースを俺に見せてきた。


「え~、なになに?

芸能界屈指の力を持つ岸夫妻の会社が倒産

多額の負債を抱える………

倒産のショックで秀紀氏は

知能が3歳になる………

そして留子氏は忽然と闇の中に姿を消す………

ほ~………こりゃあ傑作だぜ」


「………嘘だ………」


大根でしばかれ瀕死状態の岸が

俺の読み上げに反応する。


「嘘だ………でまかせを言うな………

親父とお袋は………超優秀なんだ………

そんな2人の会社が

倒産なんてするハズがない………」


「嘘だと思うなら自分の目で

確かめるといいyo!!

ところで寧々、コイツどうする?」


「そうですね~………

ハゲさせて全裸にして

スクランブル交差点に放置っていうのは?」


「そりゃあ名案だ!」


俺は早速チートを使って

岸をハゲ&全裸にして

スクランブル交差点に転送させた。



~翌日~


「秀吉様~!これを見てください!」


自宅にて寧々が

官能小説を読んでる俺に

週刊誌のあるページを見せてきた。

そこにはこう書かれていた。


"岸奨吾、複数の芸能関係者達から

過去に行った暴行や強制性交の件で

起訴される。"


「なるほど……

両親が権力者である事をいい事に

岸に今まで好き放題されてた連中が

両親の会社が潰れアイツに力が

なくなったこのタイミングで

訴えを起こしたってワケか………」


「ほんとメシウマですよね

マジでざまぁです」


「ああ、全くだよ

これで二度とテレビで

アイツを見なくて済むと思うと心が踊るよ

……そういえば……岸の奴は

あれからどうなったんだ?

確か交差点に転送させた1時間後くらいに

病院に運ばれたんだよな?」


「ええ、なんか今入院してる

病院のベッドの上で正座して

ず~っと壁に向かってブツブツ

何か話してるらしいですよ」


「ありゃまあ、壊れちゃったか」


「みたいですね(笑)」


絶対的権力者の岸夫妻と

その馬鹿息子が消えた芸能界………

果たして今後どのようになっていくのだろうか。

俺や寧々には全く知る由もなかった。

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