ぬいぐるみ

@tatumito

俺のものなのに…

「おい、なんでおまえがとなりにいるんだ」

そう目の前のぬいぐるみに言う。

目の前には大きいくまのぬいぐるみに抱きついているかわいい天使がいる。

俺は彼女を起こさないようにそーっとくまのぬいぐるみをどかそうとするが抱き締めている力が強く引き剥がすことができない。

「あの~離してもらえます?俺、一緒に寝たい、」

何て女々しいことをいっても反応はない。

仕方なく彼女を後ろから抱き締め寝ることにした。

次の日朝起きると抱き締めていたものはいなくなっていて目の前には敵がいた。

俺はそいつを抱き上げ向かい合わせて

「おい、おまえのせいで昨日ぎゅってして寝れなかったんだけど」

目の前のくまの丸い黒いビーズでできている目を見つめる。

だけどなにも答えない。

そんなくまに対して1発殴ってみたけどうまくいけて感触はなかった。

「ねぇもう朝だよ、ってなにやってんの」

そう彼女の優しい声でもとの状態に戻り、自分がいかにやばいやつかがわかった。

「いや、えっとその、えっと」

まぁいいやと彼女はいって俺の手からくまのぬいぐるみを引き剥がした。

こいつが、こいつが全部悪いのに、彼女は俺のものなのに、

「なぁ~にそんなふてくされた顔して」

そういう余裕ぶった彼女にイラついて俺はもう全て言うことにした。

「昨日、」

「え?」

「昨日、一緒に寝てくれなかった!」

「え?」

「こいつに場所奪われた!」

そうやって彼女にとられたくまのぬいぐるみを指すと彼女は

「だって寂しかったんだもん」

と言ってきた、かわいい、かわいすぎる、もう俺は死ぬのかな何て思っていると

「ねぇ顔キモいよ」

どうやら無意識のうちに二やついていたらしい。

俺はすぐにもとの顔に戻して

「ねぇ俺とこの子どっちがすき?」

と聞くと彼女は俺だと言ってくれた。

「ねぇあなたは俺のものだよね?」

そうだよと彼女は俺の目を見て言う。

だからねくま彼女は俺のものだから

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