やたらと世話を焼きたがるハイスペックな地球外生命体(居候)と男装美少女

青時雨

第1話 そんなことってある?①

「まずいわ、快適すぎる。けど腰が痛いわね」



新調したばかりのフカフカの絨毯の上にスーツのままうつ伏せに沈み込む。



「お仕事に熱心なのは結構ですが、腰を痛めてしまうほどというのは頷けませんね」



褒められているのかお叱りを受けているのかわからないけど、とりあえず流れるようにスルーする。

獣のような呻き声をあげながら身を起こし、嫌になる前に(もう既に嫌になってる)風呂へ入ることを決める。



「風呂入る」


「夕食のご用意も出来ていますよ。あ、それから就寝前のゲームのために携帯も充電しております」



ニコニコしながら私のしようとすることの先の先まで準備し終えている。



「あなた自分の星でもそうだったの?」


「ええ。消滅寸前の惑星ほしに生まれたからには他星に移り住むために必要な特技がなければなりませんので」


「そ、そう」



このハイスペックな地球外生命体が居候になった経緯については、一昨日の金曜日の夜まで遡って語る必要がある。

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