第二章第始章

俺は雨が好きだ。雨でしか見られない、泥や一面水が塗ってある小石。水溜まり。

俺はそれらが好きだった。

だが、今日の雨はとても気分を憂鬱にさせるものだった。

「どおしたんだ?そんな吐く寸前みたいな顔して」

「俺の顔そんな酷いのか?」

「あぁ。また、妹か?」

「あぁ。あれは朝の時だ」


俺が学校に行こうと、玄関に向かう途中。

あいつが、何かペン落としてたから拾って渡したら、

『気安く私のに触んないで』

と。


「可哀想だな」

「昔はあんなに可愛かったのに…。今ではもう思春期きたのか、家の男に冷たい態度なんだ」

「まぁ、誰もが進む道だ」

虎男は俺の肩に手を置き、

「どんまい」

「一発殴らせろ」


帰り道。

俺は嫌だなぁ。と思いながら家に帰った。

そしたら、


「-君。-君」


「ん?」

横を向くとそこは、家の真隣の山みたいな所だった。


「ら -君」

「誰だ?」


俺は無意識に声のする方に足を進めていた。

「何だ?ここ。途中に階段があると思えば山道になるの繰り返しだぞ」

そして一番上に進んだ、そこに


「何だ? このでかい木」


そこには鮮やかに咲く桜の木があった。

しばらく、その迫力と美しさに目が離せないでいると、


「…。お兄ちゃん?」


と後ろから声が聞こえた。

「…懐?」


「何、この木?」

「分かんない」

「すごい…」


妹も同じく、木に心を奪われてしまっている。ここである疑問が、出てきた。


「ここって元々神社建てる所だったよな」


だが妹は聞いていないようで、まだ木を見ている。すると…。


「!?」


突然妹が、うずくまった。

「大丈夫か!?」


「頼…君?」


「懐…?」


「・・・。!お兄ちゃん!」

「元に戻ったか。ほら、早く帰るぞ」


山道を降り、帰って言った。

俺らは夜の街に帰った来た。

もちろんこの後、親にびっちり叱られるのだが、


あの事は、俺と妹の秘密だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る