宝石オパールは語る_9 ~闇夜に光るホタル~
色石ひかる
第1話 問題編
私は
宝石や鉱物を販売するミネラルショーにきた。最初にオーストラリア産オパール専門店へよった。店主の
「彩香ちゃん、今回も来てくれてうれしいです。思う存分ルースをみてください」
「すてきなルースとの出会いが楽しみよ。気になるところがあれば質問するね」
展示されている手前のルースから眺めた。今日もオパールを堪能できる。
最初に興味をもったルースはブラックオパールだった。色合いやかがやきを堪能してから、ボルダーオパールを眺めた。まるで絵画を思わせるような、芸術的なルースが多くある。ホワイトオパールのやさしい色合いも好みだった。
となりのガラスケースに移動した。珍しいルースに目が留まった。
「たまに見かけたけれど、メキシコ産ルースもあるのね」
「オーストラリア産オパール専門店ですが、少しだけほかの産地もあります」
「メキシコ産以外もあるの?」
「ほとんどがメキシコ産ですが、エチオピア産もわずかに販売しています。ただ今は手元にないので、オーストラリア産以外ではメキシコ産のみです」
オパールといっても、いろいろな産地があるみたい。
「あまりメキシコ産は見なかったから、今日はじっくり見てみるね」
「興味があるルースがあれば、ルースケースから取り出します」
芽衣子さんにお礼を言ってから、視線をメキシコ産オパールへむけた。
全体的に赤色か青色のルースが多かった。ただ透明感があって、花火や紙吹雪を見ているような感じ。小さな色が顔を動かすたびに別の色へと変化する。オーストラリア産とは異なる幻想的な表情だった。
色の変化を楽しみながら、となりのルースへと視線をむけた。さきほどとは別の意味で驚くルースだった。オパールではほとんど見たことのない多面体カットで、さらにクリスタルのような透明感があった。顔を傾けても色の変化はない。
「芽衣子さん、この透明なルースには色が見られない。これもオパール?」
クリスタルのようなルースを指さした。
「少し変わっていますがオパールの仲間です。見た目以外にも特徴があります」
「私の知らないオパールは、まだまだたくさんありそう」
「オーストラリア産とは異なる珍しいルースです」
もう一度、透明なルースに視線を戻した。何度みても不思議な感じだった。透明なクリスタルのルースと言われても納得できる。
「特殊なオパールなのね。何が変わっているのか知りたい」
芽衣子さんの発言をまった。
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