第2話 異世界無双桃太郎
中世ヨーロッパのような街並みが連なる城下町に桃寺桃太郎は転移した。
『遂に、遂に来たぞおぉぉおぉぉぉおおぉぉぉおぉぉおぉお!!』
人々の服装、喋る鳥、人や物を運ぶ馬やトカゲ、物語に出てきそうな街並みそして騎士、魔法使い...ここが異世界だということを確信した桃太郎はあまりにも嬉しさに叫んでしまった
街の人たちが一斉に彼の方を向く。かなりでかく叫んだのでなんだなんだと桃太郎に注目しているのだ
『すげぇちゃんとナーロッパだ、死んだかいがあったぜ!』
『こ、こらぁ!街中で騒ぐでない!』
女神キジコが後ろから桃太郎を注意したのだ
『あ?おまえはさっきの女神か』
『神に対しておまえって呼ぶな!』
『というかなんで女神がここにいるんだよ』
桃太郎の質問に対してキジコはひとまず桃太郎を連れて人目のつかない路地裏まで行った。
そこに着くとキジコは手に持つ紙を渡した。“神事異動内示書“と書いてある
『なんだこれ』
『最悪ってことじゃ。こんな危険な世界に赴任したうえにお主のような愚者と同伴になるなんて嫌じゃぁあぁぁあ(泣)』
女神はその場に泣き崩れた。ぎゃんぎゃん泣いている、いやこの時まで涙を我慢していたのかも知れない。路地裏に来たのも割と遠慮なく泣けるからだ。
『神様にも世知辛いのあるんだな』
『そうじゃそうじゃぁあ世の中理不尽じゃぁあ、よりによってこんなやつとぉお』
女神キジコの泣く姿に
『まるで某駄女神みてぇだなおまえ』
と言い放つ。桃太郎には同情の[ど]の字もない、なんか滑稽だから鼻で笑う。
『はぁあ?ワシ駄目じゃないし、魔力量半端ないし、魔法いろいろ使えるしぃ』
『ほう、おまえ強いのか。ちょうど俺の実力がどれくらいなのか試したかったんだ。女神キジコ、俺の試し切りになってくれ』
『なんでそうなるんじゃあぁあ!やらんわアホ最低じゃなお主!!そういうのはモンスターにしてくれ!』
キジコがツッコんだときだった。
『おい兄ちゃんたち、こんなところでなにイチャイチャしてんだ?』
すると路地裏に男2人が現れた。いかにも悪そうな2人。腰には斧や剣を持っている。
『おいあの女イイ身体してんなぁ』
『セクハラのしがいがありありのありだぜぇ』
ゲヘヘと笑う2人。キジコは怯えて警戒するが桃太郎はただ、にやっとしながら様子見するだけ
『な、なんじゃお主ら、ワシは神じゃ。神に無礼を働けばただではすまんぞ』
『神が地上にいるわけねーだろ笑』
『ナマイキそうなところもかわいいぜぇ』
男たちはゲラゲラ笑いながらキジコに迫る。桃太郎はただ様子見するだけ
『おい、そこの女の彼氏ぃ』
男が桃太郎を指差す。
『俺か?別にコイツの彼氏ではないが』
『別にどっちでもいいからとりあえずどけぇ、この女は今からめちょめちょにするからよぉ』
男がそう言うと桃太郎は
『かまわん。この女を好きにしていいぞ』
なんとあっさりキジコを捨てやがった
『は、はぁあ、お主まさかワシを身捨てる気か!?』
『ならば自慢の魔法でも使うんだな』
桃太郎仁王立ち。ほら、早く魔法使ってみろと言わんばかりの態度だ
『言われなくてもやってやるわ!くらえ、風魔法ウィンドショット』
女神の手から風の弾が放出される。勢いよく放たれる風の弾は男のひとりに直撃。
しかし男には全くダメージがない感じだ
『ヒャハハッハ痛くも痒くもねーぞ笑』
『ぐぬぬ舐めやがって』
キジコはウィンドショットを連発する。マシンガンのように撃たれる風の弾は男2人を襲うが男たちはびくともしない。
『ならば雷魔法エレキボール!』
電気の球を投げるキジコ。しかしまたしても無意味だ
『女ぁ、弱小魔法しか打てねぇのかよ!』
『そんなんで俺たちを倒せるかぁ。今度は俺たちのターンだぜ』
男2人がキジコを襲う。キジコは風魔法を使うが綺麗に避けられて斧や剣でキジコの服ごと切り裂く。
『ぐわぁあぁあぁ』
キジコが肌を露出しながら倒れる。傷はない、服が切り裂かれただけ。
『うはぁあ胸がモノスゲェ』
『2つの山が聳え立ってるっちゅ』
『き、貴様らぁ...』
キジコは立ちあがろうとする。桃太郎を探したがどこにもいない。
(アイツどこ行ったんじゃ)
『さあさあ路地裏で俺たちと楽しもうぜぇお嬢ちゃんじゅるり』
『く、くそぉ...アクアファルコンッ』
悪あがきにキジコは一発水魔法を放った。
『ぐはっ』
その攻撃は意外にも男を軽く吹っ飛ばした。
『や、やった!』
『ち、いい気になってんじゃねーぞ女ぁ』
男はすぐに立ち上がり女神のすぐ目の前に迫る。もう1人も斧をかまえて今度こそキジコを無力にしようとする
『アーハッハァ!どうした女神、おまえの実力はそんなものか』
男たちは後ろを振り返るとそこにはさっき女の隣にいた男が路地裏の入り口に堂々と座っていた。
『おまえさっきまで女の隣にいたはず、』
『というかアイツ座っている!玉座を用意して堂々と座ってやがるぅ!?』
バァァアァァァアァァアァァァァァン
路地裏の入り口に王様が座るような玉座とテーブル、そこには赤ワインときびだんご、高そうなグラスを設置して悠悠座る桃太郎の姿を確認できた!
『なんか金貨200枚あったから全部これらに使ってやったわ!!』
『き、貴様ぁ、ワシがこんな目に遭ってるというのに...』
キジコがゆっくり立ち上がる
『あの野郎、俺たちが気づかない間に路地裏から出ただけじゃなくて買い物までしやがった』
『クソ、舐めやがってゴラァ』
男たちは今度は桃太郎に武器をかまえる
『ほう、やっと勝負できるか。女神の実力も見れたしここらが出番ってことかな』
桃太郎は腰から刀を抜いた。凄まじい威圧感が男2人とキジコを襲う。
『アーハッハァ!名乗ろう、俺の名は
そういうと桃太郎はものすごい勢いと速さで男たちに突っ込む。
そしてキジコより後ろ側へと着地する。
『ん?俺たち何かされたか?』
男Aが呟く
『ただ通り過ぎられただけだったが...』
男Bが呟く。
『斬られた痛みもねーし...ギャッハッハッハッハアイツ強がってただけで俺たちに何もしてねーぜ笑!』
『通りすぎただけかよびびらせやがっ』
そのとき、男2人の服が全部破けた。服が全て裂かれて男たちは正真正銘全裸マンと化す。武器もグシャグシャに斬られた。
『う、うびゃあああああぁあぁぁああ///!?』
男2人とキジコは羞恥の叫び声をあげる。
『
カチャンの音と共に刀が鞘にしまわれる。
『全開に露出させてやったぜ。別にいいだろ、おまえらだって女の服ビリビリにしたんだからな』
桃太郎が後ろを振り返る。
『見逃してやるよ、とっとと帰りな』
『ひっヒィイィィイ、逃げるぞ!』
『このまま逃げる気でっかぁあ!?おぼえてろよぉおぉぉお』
全裸にもなり武器も失った、男たちは股間を手で押さえながら一目散に逃げた。裸の男が路地裏から飛び出す。
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