殺人トライアングル
@mogura0708
Prologue
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彼の脳内を記憶が駆け巡る。
恐怖の中で思い返されるのは、悪夢の始まりであったあの日。
幽かな光を残して、セメントで固められたかのような空。その暗い天から死神でも降りてきたのだろうか、草木はざわめき、鳥は泣き喚いた。
――でも、これでよかったのかもしれない。
ポツリと彼は呟いた。その顔は笑っていたが、あの日と同じ暗さからなのか、翳りがあった。
どこか満足げな彼の身体を耐え難い衝撃が貫くや否や、赤黒い液体が脳漿と共に周囲へ飛び散る。その汚れと、彼の心を洗い流すかのように降り注ぐ雨の音だけが、静かに、哀しいメロディーを奏でていた。
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