第17話 男教師VS女達(2-1JK) part3
「……ご、ごほっ。なんでもない。……そ、そうだなぁ……どうしようか……」
俺は脳をフル回転させながら解決策を考える。
生徒達の視線は俺に集中していた。
とても先ほどまでお互い罵り合っていたとは思えないほど落ち着いていた。
演技だって言われた方が納得できる。……え、もしかして……演技だった……??
ま、まぁ! 例えそうだとしても、俺に時を戻す死に戻りタイムリープ能力は無いからどうしようもない。前を向こう。
結局、悩んだ末に一つ思い付いた。
「……こ、こうしようか。 もし生徒の中で『デートしてみたい』とか『遊びに行きたい』とか思う人がいれば、俺が責任を持って付き合う。自分の順番まで時間掛かると思うけど。――だから、付き合うのは最大でも10人にしてもら……してください。はい。一応、学校には名目上『男性学の教師による実戦的レクチャー』と言えば何とかなるはず……です」
瞬間、彼方此方から喚声が響き渡った。
「先生ぇえええーーー!!」
「本当にありがとうございます!先生大好き!イケメン!愛してる!」
「生きててよがっだぁあ”あ”あ”!!!!」
「「「「「……(ひとまずこれで良し。最低限の保障は付いた)」」」」」
感極まったのか、生徒達が喜びながら泣いて叫ぶという状況に陥っていた。女子高生の泣き顔は可愛かった……俺、教師になって本当に良かったよ……。これからも頑張るから……!!
――だけど最後に。
彼女だけは俺の理想の女子高生なので確保しておく。
何と言われようとこれだけは譲れねぇ……!!
「……そ、それと七海」
「は、はい!」
「お前は今日から俺の彼女だ。皆のとりまとめを頼む」
「は、はいわかりま…………え、?――え?!」
「「「えええぇぇーーーー?!?!」」」
「ちょ、先生どういうこと?!」
「何でナナミンなの?!私は?!」
「これじゃあナナミンの一人勝ちじゃん!(枠は後9個……どうしようかな)」
騒ぐ生徒達を無視して俺は七海に続ける。
「えーっと、俺はこれから会議があるから……んじゃ、またな七海っ!今晩電話するからな!」
「えっ、あっ、は……はぃ……///」
「「「ちょっとナナミン!!!」」」
ヘイトを七海に集めた俺は直ぐさまとんずら。扉へと向かう。これでタゲは向こうに移った。流石にあの軍勢を相手に出来る力量は俺には無い。
――頼んだぞ七海(イケボ)。
「「一人だけ先生から告白?!いくら払ったの!ナナミン!!」」
「「卑怯だよナナミン!!」」
「「この後寝落ち電話でイチャイチャするんでしょ?!ずるいずるいずるいずるいずるいずるい!!!!」」
「「「「「ちょっと聞いてるのナナミン?!」」」」」
「えへ……えへへへへ……///」
揉みくちゃにされる幸せそうな表情の七海を背に、俺は教室を後にする。
扉を開くと、室内の声が漏れていたのか生徒達は皆顔を赤らめて立ちすくんでいた。
……あ、教室に突撃してった。
「「「ちょっとどういうこと?!」」」
「「「先生と付き合ったって本当なの?!あなた!!」」」
「えへへ……私が彼女……先生の彼女……赤ちゃんは男の子がいいな……///」
「「「絶対今から詳しく聞かせてもらうからね!」」」
騒がしい。
女が集まると姦しいとは言うが、とにかく騒がしい。それに室内密度が大変なことになってる。流石に俺でもあそこには入りたくは無いな……。
俺はいつの間にか無人となった廊下を歩み、職員室に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます