第16話 男教師VS女達(2-1JK) part2
「……皆、何か聞きたいことがあるみたいだし質問いいぞ」
外はガヤガヤとうるさいし、ドア窓からは沢山の生徒がのぞき込むのが見て分かるが、それは一旦置いておいて。
ソワソワ落ち着かない様子の生徒達に俺はそう投げかけた。
「「「はい!」」」
部屋中から上がる手の数々。
「じゃあ――――七海」
「ありがとうございます!」
俺は委員長の佐藤七海を指名した。理由は単純、顔が一番タイプだから。
黒髪ショートカットに色白のきれいな肌、そして何よりゴスロリや地雷系のファッションが似合いそうなメンヘラ系の顔立ちをしているのだ。
まさに俺のドンピシャで理想の美少女。簡単に言えば前から目を付けていた女子だ。
「えっと……先生は今彼女がいないんですよね??」
「ああ」
事実なので否定しない。
「それで、…………女子高生は恋愛対象に入りますか?」
「「「……(ゴクッ)」」」
全員の熱い視線を感じ取った。
これが彼女達の一番聞きたかった質問だと察する。
だが同時に、これは俺にとってもターニングポイントになり得る質問。慎重になる必要があるだろう。
①もしここで俺が『入らない』と言えば答えは簡単。生徒達が落ち込むのは避けられないが教師として正しくあり自分自身を誇れるようになる。
②一方ここで俺が『入る』と言ってしまえば、それは教師として失格でありかつ大卒のいい男が現役JKに欲情すると公表するようなものであり、変態の烙印を押されかねない。更には学校にも悪影響を及ぼしてしまい理事長や教員達、保護者達に迷惑を掛けてしまうだろう。
まさに百害あって一理なし。
これを考慮した上で俺は――――
「余裕で入るぞ」
「「「――――――!? キャー――――!!!」」」
「先生付き合って!!」「一目惚れでした!!」「先生好きです!!」
開き直ることにした。
俺は常識に囚われない男。
確かに教師として生徒と恋愛関係を持ったら問題だろう、一般的には。
しかし俺はこの世界初の男教師であり、前例社会の現代でその前例が無い。
何より一番は、俺が教師を目指したきっかけ。
いったい何のためにこの『男が努力する必要性の少ない世界』で今まで頑張ってきたのか。それは、俺が前世で叶えられなかった現役JKとそういう関係になるためだ。だから教師を目指したはずだ。
――それならもうここで躊躇うわけには行かない。万が一解雇されたなら、その時は…………公立校とは教員の採用形態が違う私立校で教鞭を執るッ!お嬢様系JKを狙うッ!男なら歓迎されるはずだ!
「……だ、だからと言って、……流石に全員と付き合うというのは物理的に不可能だ」
「……そうですよね」「この学校だけで数百人……」「で、でも……私っ!」
危ない危ない。この流れだったら数百人の女子全員と付き合うことになってたぞ。
昔の俺ならそれこそ『ハーレムいぇーい!』みたいに喜んで受け入れた。あの時は下半身で行動してたから。……だが、一度ハーレムを経験してみてわかった事がある。
――あかん、身体が保たない。
俺はかつて大学時代、10人くらいと同時に関係を持った。その時は毎日が楽しかったしデータだってそれこそエッチだってした。
だけど流石に、一日に何百通のメール+夜には毎晩求められ+他の女子からも言い寄られ=ほぼヤリサーは、男一人で相手できるものでは無かった。
――辛かった。
幸せと辛いはまさに書いてある通り似通ったものだった。
何事も程ほどが大事だと俺はその時学んだ。
せめて……多くても5人……いや7人……。
俺が選ぶ形に持って行きたい。それが理想。
「だから、申し訳ないけど俺が生徒の中から選――」
「先生は私を選びますよね??選ばれなかったら私……死んじゃうかも」
「私先生が生きがいです!愛してます!」
「先生は私のもの!」「私のだから!」「ばか!」「あほ!」「私の方が可愛い!」「私の方が!」
――と思ったが、ダメそうだった。
俺が種をばらまいて気に入った子を収穫しようとか考えてたのが浅はかだった。俺って本当に学習しないな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます