転生せずに憑依しちゃいました
平行宇宙
第1話
和泉湊28歳。看護師。
中学生の時に盲腸で入院したのをきっかけにお医者さまに憧れたけど、お金と頭がついてこなくて、高校を卒業したら看護師の専門学校へ行った。
専門学校の先生って、めちゃくちゃ意地悪だったわ。
ちょっと太ったら看護師になる資格ない、なんてみんなの前で罵倒するし。
ああやめちゃえ、なんて思ったもんだけど、あれはなんて言うか本当に看護師になったときのメンタルを鍛えるためだったのかなぁ、なんて、ちょっと思う。
だからって許せるわけじゃないけどね。
患者ってさ、看護師のことを召使いか奴隷だって思ってるんだと思うわ。
何度やめようと思ったことか。
それでも時折もらう感謝の言葉とか、そこそこ好みの男性とかから、彼女にしたい的なモーションをかけられるとか、そんなことでモチベ増やして、そこそこ楽しくやってはいたんだけどね。
「男が欲しい~!」
独身の仲間と話すのは、たいがいそれ。
看護師ってだけでそこそこ持てるから、男の人には困らないはず、なんだけどね。
みんなそんなこと言ってるし。
でも私は本当に男遊びをみんながしてるか、なんて眉唾ものだと思ってるのよ。みんな自分はもてるアピールしてるだけだと思うんだ。
なんでかって?
私がそうだから。
ふん。だって仕方ないじゃない。奥手の私は中学校の時は男子なんて!って硬派気取ってたし、高校は女子校。専門学校だって男子は絶滅危惧種なんだもん。
そのまま就職して、一応医者を物色はしたけど、いい男はすでにこぶ付き。あとは年寄りかやばい奴しかいないって。
てことで、年齢=彼氏いない歴、な女として生きてきたんだよね。
そんなある日。
夜勤明けのコンビニ。
みんなこれから仕事に行くぞ、という流れに逆らって、お惣菜とビールを購入。さっさと家に帰って飯・風呂・ベッドだ、と、フラフラコンビニ前の歩道で信号待ち。
と、
キキーー
でっかいトラックが私めがけてドッカーン!!
え?え?え?
気がつくと、私は自分の体を見下ろしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます