嫌いな奴こそ祝福を

亡くなった先生の家に、線香をあげに行った。先生の奥さんは何かに耐えるように座っていた。

「奥さん、もう我慢しなくていいんですよ。貴方を殴る人は、もういません」

 私は奥さんにクラッカーを握らせた。

 

「死んでおめでとー!」

 奥さんが先生の遺影にクラッカーを鳴らす姿は、美しかった。

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