第12話 仙台港襲撃

13時30分

人民解放軍の工作部隊によって破壊された「関門かんもんトンネル」と山陽新幹線のトンネルがおよそ1日ぶりに復旧する。


同様の破壊工作を防ぐため、国防陸軍山口駐屯地と福岡駐屯地からそれぞれ歩兵2個小隊と装甲車が配備された。

また、空からの攻撃を警戒し久留米くるめ駐屯地からSAM地対空ミサイル部隊が展開した。


その一方で関門橋かんもんきょうの復旧は目処が立たず、走行中に被害にあった車両の移動や瓦礫がれきの撤去に追われていたほか、爆破時刻に偶然にも関門橋の真下を航行していて崩落に巻き込まれたコンテナ船(皮肉にも人民中国国籍)が積載していたコンテナが漂流していたこともあり関門海峡かんもんかいきょうは通過不可能となっていた。


18時30分

薄暮はくぼの仙台港に銃声が轟いた。

宮崎港・室蘭港・苫小牧港が機能停止状態となっていたため臨時の物資集積所となっていた仙台港が狙われたのである。


先の同時多発テロを受け警備に当たっていた国防陸軍多賀城駐屯地の歩兵小隊と装甲車が反撃に当たったほか、隣接する仙台海軍基地の基地警備隊も加わり、襲撃部隊の大半を射殺もしくは捕虜にした。

しかし一部の工作員が逃亡する。


18時51分

逃走した工作員が近隣のアウトレットパークやショッピングセンターに人質を取って立て篭もる。


19時11分

アウトレットパークに立て篭もっていた工作員を射殺したものの人質数名が巻き添えで死亡


19時18分

急遽、宮城県警にJTF司令部から特殊部隊の出動要請が行われる


20時00分

ショッピングセンター隣の家電量販店に特殊部隊が展開。


20時42分

宮城県警特殊部隊がショッピングセンターに突入、立て篭もっていた工作員らを射殺し人質となっていた民間人の解放に成功する。


この一連の仙台港襲撃を受け政府と国防軍は報復として上海シャンハイ厦門アモイ天津テンシンなどへの人民中国都市部への攻撃を行うか検討したが、同日午前に上海沖での人民中国艦隊への攻撃が行われていたことから見送られた。


とある識者は人民中国艦隊への攻撃が仙台港襲撃へと繋がったのではないかと後に語った。


22時10分

長崎県の「人民中国長崎総領事館」に火炎瓶のようなものが投げ込まれる。

(人民中国公館への初の明確な攻撃、犯人未逮捕)


被害は外壁と芝生の一部を焼いたのみで、負傷者はいなかった。


23時30分

国防空軍新田原にゅうたばる基地の第606飛行隊(A-10J 飛龍)に移動命令





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