第10話 魚雷と誘導弾

14時42分

国防海軍第一航空機動艦隊(旗艦:ほうしょう)と第二航空機動艦隊(旗艦:りゅうほう)が奄美大島南方沖で一時的に会合、そののち第一航空機動艦隊は沖縄本島の北側、第二航空機動艦隊は沖縄本島の南側へ移動した。


15時30分

一連の同時多発テロを受け、政府とJTF統合任務部隊司令部は緊急の会議を行ない、先の攻撃の報復として人民中国の都市部(上海シャンハイ厦門アモイ天津テンシンなど)への攻撃を実行するかが話し合われた。


結論から言えば、これ以上のエスカレーションは求めないとのことから都市部への攻撃は見送り、尖閣・先島を占領している人民解放軍部隊への徹底的な攻撃を行うが、再び同じように都市部への攻撃が行われた際は舟山群島シュウザンぐんとう沖の原潜「はこだて」、香港ホンコン沖の「みと」、新満州しんまんしゅう共和国・大連ダイレン沖の「ふくい」から巡航ミサイルなどによる人民中国軍基地もしくは艦船への攻撃を行うことで決着がついた。


17時35分

人工衛星からの映像で、与那国島沖の中国艦隊から駆逐艦「安慶アンケイ」とフリゲート艦「洛陽ラクヨウ」が離脱したことを確認

艦首は石垣島方向に向けられていた。


18時26分

「安慶」と「洛陽」の艦影を西表島に潜入中の海兵強襲偵察隊マリーン・イェーガーが確認、JTF司令部へその旨を打電。


18時34分

JTF司令部より、特殊なレーザー通信により国防陸軍石垣島臨時守備隊と原潜「せんだい」へ撃沈命令が出される。


18時45分

原潜「せんだい」が「洛陽」へ向け「12式魚雷」を発射


18時46分

魚雷が命中する寸前、「洛陽」が転舵するも時すでに遅し、船体ほぼ中央に魚雷2本が命中し、二つに折れながら「洛陽」が爆沈する。


18時48分

「安慶」が石垣島へ向け、艦砲射撃を開始。


18時52分

僚艦が撃沈されたにも関わらず、艦砲射撃を行いながらなおも接近する「安慶」に対し、石垣島臨時守備隊が「87式対戦車誘導弾改中MAT改」で攻撃を行う。


18時55分

「安慶」の艦橋かんきょうや主砲などに複数のミサイルが命中、艦橋が壊滅したうえ、艦内で大火災が発生したことから操艦不能に陥る。


19時11分

操艦不能となった「安慶」が石垣島北西部に位置する「底地すくじビーチ」に座礁したため、守備隊がこれを包囲、辛うじて生き残った乗組員を拘束し、捕虜とした。


19時15分

艦内に残っている砲弾や、ミサイルの誘爆を防ぐため地元消防から徴発した消防車やポンプで炎上中の「安慶」へ放水を開始する。


19時26分

「青島」から爆装した「J-15B」2機が発艦、石垣島方面に向かう


19時31分

石垣島臨時守備隊が携SAMで迎撃を行ない、2機を撃墜

以降は小康状態となる


23時38分

「安慶」の火災が鎮火する。








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