第7話 膠着

23時20分

国防省の「大野寺 六典」国防大臣が緊急の記者会見を開き、米政府の対応を痛烈に批判した。


23時30分

第二航空機動艦隊に鹿児島沖への移動命令が発出される。


8月25日00時00分

国防海軍呉海軍基地から第二航空機動艦隊が出撃、鹿児島沖を目指した。

同時刻

第一航空機動艦隊は高知沖200kmの地点を航行中


03時00分

長崎県相浦駐屯地の第3海兵師団に出動待機命令

海兵隊佐世保基地の第一強襲艦隊に出動待機命令


その頃、横須賀のJTF統合任務部隊司令部では難題に直面していた。

その難題とは多良間たらま・与那国の短/長SAM地対空ミサイルSSM地対艦ミサイル、そして中国艦隊である。

人民解放軍は多良間島に「紅旗-7」短SAMと「FL-2」SSMを、与那国島に「紅旗-9」長SAMと「YJ-62」SSMを配置していた。


更に、与那国島沖に空母「青島」、中華イージス「蘭州ランシュウ」を含む機動艦隊が展開しており、多良間以西に濃密なエアカバーを展開していた。


そのため、航空機はおろか艦船や「LCACエルキャック」、「06式エアクッション艇」なども地対艦ミサイルや艦対艦ミサイルに捕捉されてしまうため容易には近づけない状態となっていた。

(事実、宮古島西方沖に展開していた国防軍のフリゲート艦2隻が対艦ミサイルによる攻撃を受けている)


そのため国防軍は攻めあぐねていた。

そんな状況であるため、出撃した2つの機動艦隊は沖縄本島を挟んで南北に展開予定、佐世保の強襲艦隊に至っては出撃命令が出ずにいたのである。

05時53分

戦線は膠着したまま沖縄地方が夜明けを迎える

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