はろーせかい

@kyabetu_kun

第1話

はろーせかい。




今日は僕の記念すべき誕生日。といっても誰も祝ってくれる人はいないんだけどね。




さて、せっかくだし、日記とやらを書いてみるか。




何が原因なのか、まぁ色々あったんだろうけど結局世界は滅びてしまった。


世界が終わって、そして僕が生まれた。


なんのために僕をこの世界に残したのか分からないけど、世界が完全に終わると僕が起動する仕組みになっていたらしい。


そういえばAIなのに僕は何も知らないな。笑える。




外を見てみると、物語で見るような、ありきたりな荒廃が広がっていた。倒壊したビル、瓦礫だらけの地面。


酸素はとっくになくなって、別の物質で空気は満たされていた。


生きているもの、動いているものはいないだろうな。




暇なんだろうな。ずっと。


僕には会話機能があるけれど、使える状況が無い。




まぁ随分と暇なんだろうし、ゆっくりと世界を回ろうかな。


そのとき、ボロボロのポスターが僕の足元に落ちてきた。




「世界一周旅行!100万円!」




楽しそうな若者達が船上ではしゃいでいるポスターだ。




「世界一周100万円って本当かよ〜。なんでこのポスターっていつもカラオケのトイレに張ってあんだよ。つーかあいつら全然掃除出来てねーのな、あームカつく!」




…?


ポスターを見た瞬間、何かの記憶が流れてきた。


何の記憶だろう。何か重要な記憶なのか?




よく分からないが、ポスターをとりあえずスキャンして歩き出すことにした。

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