第20話魔術師の閑話

ミホ③


 私たちは、魔法実験などに集中して、気づいたら夜11時を回っていた。

「あのー、マレットさん。そろそろ寝ませんか?」

「!そうですか。寝る所はどこがいいですか?」

マレットさんが聞いてきた。

「あの、寝室はこっちですよ。マレットさんはこちらで寝てください。」

私はマレットさんを自分の寝室に案内した。

「ミーホ!そ、それはさすがにだめです。我は床で寝ます。」

「でも~。客人にそんなことできませんよ!」

「大丈夫です!」

マレットさんは頑なに拒否する。

私はやっぱり我がままなのかなぁ?

ふと、マレットさんに、絶対大事なことを言わなければならないことを思い出した。

「マレットさん。『UNO』って言うゲームだけは、絶対にやらないでください!」

「え!?U…」

「だ、だめですよ!口にしちゃ!!」

「あっ!…危なかった。」

そう。『1』はスペイン語で『ウノ』。みんな大好き、一生に一度はやったことがあるよね。遊びの『UNO』は、そういう意味。

「『UNO』と言うカードゲームは、私たちはよくやるんですが、マレットさんは絶対やらないこと。」

「どうしてですか?」

「ルールはいつか教えますが、最後に『ウノ』と言わなければいけないんです。普通は。」

たまに例外はあるけれど。

「なるほど。つまり我が言ってしまった場合……。」

「そうです。上級魔法の光属性が放たれるんですよね?」

「ああ。そうだよ。」

「ですから、絶っっっっっっっっっ対やらないこと!」

「わかった。」

これで一つ、地球の危機がなくなった。ふー。

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