好きだよ
二髪ハル
プロローグ 好きだよ……
「好きだよ……」
真剣な眼差しでその子は言ってきた。
幼稚園の頃からずっと一緒だった幼馴染からの告白をされた……。
状況を少し整理したい……。
数時間前のことだ幼馴染の
ゲームに夢中になっていた俺、
「た〜いがあーそぼ♡」
「おっ……」
そのまま俺の部屋へと若葉を招きいれいつも通りに若葉は俺の漫画を漁ってはベットの方へとダイブして読んでいた。
「……ねぇ大河くんや」
「なに若葉?」
彼女の方を向くとジッとこっちの方を見つめてきた。
「大河ってさ彼女っているんだっけ?」
「え?」
彼女? 俺にそんなのいない。
「いないが」
「へー……好きな人とかっていないの?」
「え? いないが」
「ふぅーん」
なんか気が抜けた返事をしていた。
あまりこういった話は若葉とはしたことはない。お互い恋愛には興味すらなかったから。
「若葉はいないか好きな人とかって……」
けどこういった話は俺自身が興味ないだけで若葉も高校2年だ好きな男の1人や2人ぐらいいるだろう……。
「まあ、それはね……大河のことは好きだよ」
「………っ!?」
好き!? 若葉が俺のことを……? 告白されたのか?
「えっ?」
「……うん」
若葉の方を向くと小さく頷いていた。
そしてゆっくりギシッというベットの音が響。若葉が俺のところに近づいてその場でしゃがんできた。
「好きだよ……」
目を見てみると物凄い真剣な眼差しでこっちをみてきた。
「……あっ」
言葉が思わず出ない……。若葉から、小さい頃か知っていて妹が俺にとって妹みないな存在の子が好きだと言ってきて俺は言葉が出なかった。
「……私、大河のことが好き。だからこんな私と付き合って下さい」
若葉から本当に付き合う欲しいと……言われて手を出してきた。
俺はどうなんだ? 小さい頃からずっと一緒だった。
幼稚園の頃にあって可愛かったと思った。
それで小学生の頃になって隣の家で妹が出来たと内心嬉しかった……。
ずっと一緒で食べ物とかわけてその笑顔が……なによりも好きだった。
「……」
そんな笑顔の若葉がふとよぎる。
「たーいが。にしし!」
そんな笑顔が好きだ……。
「……」
彼女の方を見ると頭を下げて目をグッと力強く瞑っていた。
「……あぁ」
俺いつの間にか若葉の手を握り締めていた。
「っ! えっ……」
若葉が握り締められていた手と俺の顔を交互に何度も見てきた。
「いいの?」
「いいって何が? 告白だったらオッケーだよ……だから若葉。俺が好きなその笑顔でいつもみたいにそばにいて欲しい」
「あっ……うん。うん……うんっ!!」
そして俺の胸元の方に顔を押し当ててきた。
「大河……たいがっ! あぁっ………うあぁぁあぁぁぁっ!!」
若葉がずっと泣いていて俺はそっと彼女の頭を慰めるように撫でていた。
「好きだよ若葉……」
ずっと昔から俺は若葉のことが好きで大事だと改めて気づきこうして恋人になれた……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます