第1話 日常① 2023 3/20更新

 昨日から、進級して高校2年生になった。

俺、斉藤 健(さいとう たける)は、いつも通り学校に早く着き、自分の席に着いて本を読んでいた。朝に本を読むのは心が安らぐなぁ。


「健、おはよう。」


「ああ、おはよう。」


 時刻は8時29分、遅刻寸前に来た親友の、坂本 悠真(さかもと ゆうま)は、挨拶をして1つ前の席に座る。

悠真は幼馴染で、学校一のイケメンと言われるほどの整った顔をしており、見られることが嫌いな俺は、気を張ってしまう。挨拶が終わるとそのままSHRが始まった。




 SHRが終わると、悠真は、こっちに向いて話しかけてきた。


「進級したんだし、一緒にサッカーやろうぜ。」


「前にも言っただろ、俺は。」


 悠真には、前にも何度か誘われたが、俺はスポーツには興味が無いので参加していない。それでもずっと誘ってきてくるのだ。


「てか、お前と話してると、回りがお前の方ばかり向いてるから、俺喋りづらいんだか。」


「こんくらい慣れろよな。それに俺だけに見ているというのもないだろ。」


「そんなわけないだろ。俺なんて。」


 自分で言ってつい悲しくなった。自信もった方がいいのかな、とほほ。

自分でも陰キャ寄りなのは自覚しているのに、そう簡単にお前の視線耐えられるわけないだろ、と思いながら次の話題を元に戻す。


「話戻るけどさぁ、サッカー部に入るにしても、練習でも面白みを見いだせるならいいが、楽しむ分には興味がなくても楽しめるんだが、興味がないものを楽しむことなしではできないだろ…。」


「まぁ、練習で楽しさを見いだせるかはその人自身だからねぇ。まぁ1回してみることがいいと思うけど。」


「…そう言われたら、体験入部だけでもしとくか…。」


そう理屈を論破できたことと、俺に体験入部だけでもさせることができたことに対して、悠真は俺に少しニヤニヤしている。

なので、俺としてはスポーツ自体あまり興味が無いが、楽しみ方は人それぞれだから俺の理屈だとしてみないといけない。

少しため息を吐いて、違うを話をしようとしたところで、1限目の授業の予鈴がなった。


「じゃあな、健。」


「ああ。」


 それから1時間目の数学の授業が始まった。





1時間目の授業は、特に面白みのなく進んでいく。


「斉藤、この式を解いてみろ。」


はぁなんで俺なんだよ。ということは心にしまい、田中先生に出された問題を解いていく。


「5+3ルート2/2です。」


「正解だ。」


ふぅー。難しくて、ヒヤヒヤした。もっと勉強しないとな。


「次、じゃあ…、九条、この式を解いてみろ。」


「はい、答えは2+6ルート5/3です。」


「正解だ。」


「やっぱ、九条さんすげぇな。」


「九条さん。やべぇ。」


「さすが、玲奈。」


今、問題を答えた人は、九条 玲奈(くじょう れな)

さん。彼女は、成績優秀、運動も得意で、尚且つ容姿端麗で学校一の美少女と呼ばれている。休み時間には、カースト上位の人たちとよく話している。

そんな彼女を高嶺の花だなぁとか考えていると、授業終了のチャイムが鳴った。


「号令、礼。」


1時間目の授業は、これでおわった。





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