治癒術師エリサンは自らの失敗によって姉を失った。
それを悔いて神官となり、生涯を神に捧げることを決めた。
善行ではなかった。彼自身そう思っていなかった。罪の痛みから逃れるため、『理想的な神官』を演じ続けている。
山林に囲まれた、教化も十分でない辺境の村にやってきても、やはり彼は『善人』だった。
そんな彼は、森で『怪物』と出会った。
傷ついた『怪物』を、彼はためらいなく抱きとめた……
という感じのお話です。
冬の迫る寂しい村で、淡々と綴られる神官エリサンの物語。彼の行動は『偽善』とさえ呼べるものですが、それでも彼は、自分にできる限りのことを成します。
そんな彼が、村での出会いを経て、どう変わっていくのか。
彼自身の魂が救われる日は来るのか。
9話以降の展開も楽しみにしています。