時空旅人によると、、、-軍記-

恩賜芍薬/ Grace Peony(♂=

第1話 連結している時空

東のGyroと西のサリンジャー。

僕たちは時空旅人だ。

数億光年向こうの未来から軍記を語るためだけにやってきた。


BookとFlagというのはBibleとFaithだっていうことをまず伝えておこう。

ふたつは別々ではなくてどちらもなくてはならない存在だ。

ふたつは別々の組織ではないし、別々に自然発生したわけでもない。

必要に応じて流れの中で互いに補完し合うために互いが互いを思い合って自然発生した。

DNAは連鎖して螺旋状に二重構造になっている。そのDNAが抱いていたのが卵だった。卵が手から滑り落ちても壊れなかったのは誰のせい?

”壊れちゃえばよかったのに”。


黒い嵐が身を隠すように白いマントを着て踊っている。

蜘蛛の巣のように世界を張り巡らせてセーフティネットを作った。

混じり合うそれぞれの思惑がいつの間にか混乱を生んだ。


僕もサリンジャーも事実を歴史として知っている。知っているから今こうして語るために数億光年の旅をしてここにいる。

だから最初に言っておく、僕たちは結果を知っている。どちらの誰であるという論点とは無関係なんだ。


リアルタイムに見える軍記を語れるのも僕たちにとっては歴史だから。


東は白百舌鳥連闘、西は元老院と呼ばれる人々。

世界が分断されたように見えていたかもしれない。けれどもっとシンプルに考えればいい。

分断されていると教えたのは誰?

宗教?テレビ?メディア?それともあなたのご両親?友達?


忠告すべきこともある。

知らないことは知らないままで放っておくべきなんだ。

聞いてしまったり知ってしまっても自分に無関係であればそれは知らないことと決心してしまえばいいことなんだよ。


足を突っ込めば足が切断される。首を突っ込めば首が切断される。

言葉を使えば呪われて2度と元の世界には帰ってこれなくなる。


軍記物語は物語として読むくらいがちょうど良い。

それなのになんぜこんなに大真面目に僕が説明しているかって?


素人やガキは足も首も言葉も突っ込むべきじゃないよ、今言ったばかりでしょう?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る