勝手に異世界に連れて来た癖に殺そうとするなら異世界チートでざまぁ〜するしか無いでしょ。

るるかチャンネル

第1話:異世界チートがある勇者が弱い訳が無い件。

俺は高校を卒業してからやりたいことも無く、実家暮らしでバイトをする毎日を過ごしている。


今日も、大手の古本屋ブックオッフでいつも通りバイトしていると、変わった格好をしたお爺ちゃんが買取カウンターに来た。


『いらっしゃいませ。本の買取でしょうか?』


『あ〜この本を買って欲しいんじゃ』


変わった格好のおじいちゃんは見たことが無い字で書かれた、洋書を出してきた。


中身を確認するも何の本か分からないし、もちろんバーコードなども無い。


ブックオッフでは残念ながらバーコードが無い古本の買取はしていない。


一部バーコードが付く前のマニアクックな本は買取対象だが、訳のわからない洋書を買取することは出来ない。


ただ、妙に気になるんだよな。この本。


何か気になるが買取出来ないので、変わった格好のおじいさんにその事実を伝えようとすると、さっきまで目の前にいた変わった格好のおじいさんが居なくなっていた。


店内を見渡してもやっぱりいない。


買取査定に時間が掛かると思って外に出たのかな!?


洋書をレジ下に置いて、そのままバイトを続けた。


22時閉店時間。結局閉店時間までおじいさんは帰って来なかった。


仕方ないので明日のバイトの人に分かるようにメモを書き、本の上に置いた。その瞬間。


洋書の文字が飛び出して、俺の周りを飛び始めた。


意味がわからない光景に俺が唖然としていると、文字たちは一箇所に集まり出した。


そこには大きな扉が現れた。


そして扉が開き。。。。そこから出てきた大きな手によって扉の中に強引に連れ込まれてしました。


ここで意識が無くなり。次に意識が戻った際には大勢の鎧を着た人達に囲まれてる状態だった。


まだ頭がボーッとしてるのだが、綺麗な女性が話し掛けて来た。


勇者さま、よく来て下さいました。


私はローラ、勇者様を召喚したジングル国の第二皇女です。


今回は我が国の危機を救って頂きたく召喚させて頂きました。


何か、訳のわからないこと言い出したんだが。


『ごめんね。何言ってるか全く分からないんだけど。』


『これじゃ、まるで異世界転移じゃん』


それに対してローラは当然のように。


『そうです。勇者様の足元にある転移魔法陣で呼ばせて頂きました。』


ブックオッフで働いてる俺は。当然、ラノベは嗜んでるし、異世界物は大好物だ。


ただ、実際に自分の身に起こるとは思ってなかったので動揺してるが。


『よし!!つまり俺は勇者でチート持ち。俺つえ〜して貴方の国の危機を救って。後はハーレムを作って余生を過ごせば良いってことですね!?』


『勇者様すいませんが、今度は私が勇者様が何言ってるか分かりません』


『ただ、勇者様に私の国を救って頂きたく召喚したのは間違いありません。また危機を救ってくれた後には勿論それ相応の褒美は出します。』


『分かりました!!やります』


面白そうなので即決断してみた。


『話が早いのは助かるのだけど、何も聞かないで受けてしまって本当に大丈夫なのですか?』


『見る限り、どうせ拒否権は無さそうなので待遇が良さげで印象が悪くなる前に決断しました』


『それと名前を名乗るタイミングが遅くなりましたが、田中仁(ひとし)です』


ラノベを嗜んでる俺は予習ばっちりで対応が早いのだ。


まず、依頼を受けた俺は、自分のステータスとスキルを確認する方法を教えて貰い。確認した。


何と俺のステータスはオール10だった!!オール10つまり全てのステータスが最大値だったのだ。


喜んで皇女様にステータスがオール10ですと伝えると皇女様が驚いている。


チート無双の予感しかしない。


『ステータスオール10ですか…。スキルは何を授かっていますか?勇者様のスキルは伝承にも残っていますが凄いものばかりのようです』


次はスキルを見ると。スキルは3つあった。


1つ目:身体強化小(勇者仕様)

2つ目:言語理解(ワールド)

3つ目:ブックマスター(異世界仕様)


そのまま、身体強化小と言語理解とブックマスターのスキルが表示されてることを伝えた。


そうした所、皇女様はすぐに来た扉から出て行ってしまった。


ラノベ愛好家としては言語理解(ワールド)とか、謎の古代文明を解明するのに使って無双出来そうで期待大(仮)


身体強化も小とはあるけど、勇者仕様なら凄いんでしょ?多分。


最後のブックマスターは何が出来るかは分からないけど、マスターって付いてる時点でハズレスキルなハズがない。


だが、空気がおかしいぞ。空気があまり読めない人間と言われる俺でも、この空気感は分かる。まぁ。チートが3つもあれば何があっても何とかなるでしょ?


そんな楽観的な考えで過ごすと決めた。異世界まで来て人間関係とかで頭使いたくないから。


そして。この日は何も無く、何の肉か分からない激うまの肉を食べて寝た。


そして二日目。鎧を着ているお兄さんから冒険道具一式が入ったバックを渡されて、何の説明も受けずにダンジョンに行くことになった。


皇女様は忙しいらしく顔を出さなかった。もうあれだよね?嫌な感じしかしない。


ただダンジョンに行くことを拒否できる状態でも無かったので行くしかない。


嫌な予感が当たらないことを願いながらダンジョンに着くと、何の説明も受けずに鎧を着たお兄さん5人とダンジョンに入ることに。


このダンジョンは、ラノベで見たことがあるようなモンスターが色々出てくるらしく。


かなりの頻度で強そうなモンスターが襲ってくるが、この5人は相当強いのか?全く気にする様子もなくダンジョンを進んでいく。


そして10階にたどり着いた時に、突然リーダーっぽい人が話しだした。


『勇者様には申し訳ございませんが、ここからは1人でダンジョンをお進み下さい』


この人何言ってるんだろう。出る前に食糧と小さなナイフが入った袋を受け取ったけど、どう考えてもこのダンジョンを突破するのに十分な装備なはずがない。


『どうゆうことでしょうか?どう考えてもこの装備で進むのは無理だと思うんですが』


『しかも何の戦闘訓練も受けていないんです。俺を殺す気ですか?』


面倒なので、真正面から聞いて見る。


『私にはこれ以上答える権限がありません。進めない場合は戻って頂いても大丈夫ですが、お一人の力で帰って来て下さい』


それだけ言うと、来た時よりも圧倒的に早い速度で5人は来た道を引き返していってしまった。


一瞬追いかけようとも思ったけど、どうせあの速さで付いていくのは無理なので諦めた。


流石に数日は余裕があると思ったんだけど、まさか二日目に追い出されるだけでは無く、現状としてはほぼ殺しに掛かってくるとは。


ただ、俺は不思議と落ち着いている。何故ならこれがあるからだ!!


【ジングルのダンジョン完全攻略本】


実は昨日の時点で嫌な予感があったので、僅かの時間で軽く能力把握をしてたんです。


そして、この能力(ブックマスター)で異世界の全ての本、更には元世界の全ての本を取り寄せることができることが分かった。しかも言語理解(ワールド)があるので、過去に書かれたヤバ目の本も全て読んで理解することが出来る。


欠点は取り寄せる回数制限があって、レベル1/1日3回と表記されている。


そして、昨日の時点で【ジングル国の全て】と言う誰が書いたのか謎だけど、情報量抜群の本をゲット!!言語理解スキルの力なのか普通なら数時間は掛かるだろう本を数分で読破。


本の中でダンジョンに触れられていたので、念の為に購入して読破済み。


ちなみに、ブックマスターで手に入れた本はイメージすれば具現化して、消したいと思うだけで消えるので便利です。


何でこのダンジョンに放置されたかも【ジングル国の全て】に書かれていた内容を示し合わせると、希望の勇者が召喚出来なかった場合は、このダンジョンに放置して殺すらしい。


ジングル国としては、不要な勇者はすぐに殺したいけど。直接殺すと神の天罰が起きるらしい。実際に過去に召喚者を殺害した国が滅びたって話しもあるらしい。


そんな訳で直接殺すと何があるか分からないので、多少の装備だけを渡してダンジョンに放置が一番安定した勇者ガチャのやり直し方法らしい。


まぁ〜昨日は勘違いしてたけど、最大ステータスが999の世界で、初期ステータスとは言え勇者がオール10。更には皇女的にはくそスキルしか持ってないと判断すれば、勇者ガチャ引き直しをしたいんだろうね。


何か妙に冷静に考えられるけど、要はあいつらは自分勝手に俺を呼び出して。


自分の思った勇者じゃなかったことを理由に、俺を殺そうとしている。


絶対に許せん。もう大好きなラノベ同様にチートスキル使って皇女をざまぁ〜するしか無いじゃないか。


既にこのスキルのチート的に使い方が浮かんでいる俺は今後のざまぁ〜展開を想像してニヤニヤしながら、ダンジョン攻略を開始した。

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