ザ・オール~氷雪の薔薇姫~

@oyntheomega

第1話「ローズマリナ」

ローズマリナ「…誰?」


ローズマリナは物心ついたころに知らない人のもとで生活していました


?「ここは天界だ」


ローズマリナ「天界?」


?「私はエロス、神です」


ローズマリナ「私は誰?」


エロス「おぉそっちでしたか!いえ、今のは私にも聞いた?ん、まぁいいでしょう。あなたはローズマリナ、悲しいことに両親に捨てられたのです。でも安心してください。親以上の愛を詰め込んで私があなたを育てます」


ローズマリナは4歳でした

0歳~3歳の間の記憶はありません

でもこれだけは知っています

この神が私を育てた親だということを


そしてローズマリナが10歳を超えて間もない頃…


ドーーーーーーーーーーーーーン!!!


エロス「何事です?」


ガイア「よぉエロス、面合わせんの久しぶりだなぁ」


エロス「なんだ、ガイアですか。豪快なノックなので敵襲だと思いましたよ」


ガイア「敵襲、ねぇ…まぁ正解だ」


エロス「?」


ボォ!


左腕を焼かれるエロス


エロス「ぐ!何をするのです!!」


ガイア「オーディンから命令があった、お前を殺せと」


エロス「な、なぜ…」


ガイア「なぜ?お前が一番知ってるんじゃねぇか?」


エロス(まさか!!!)


ガイア「お前、人間を飼ってるよな?無断で」


エロス「何のことでしょう?証拠がおありですか?」


ガイア「よく作られたフェイクだったが、神をなめすぎだ!数年もここにいりゃ匂い、オーラ、気配でわかんだよ」


エロス「…」


逃げるエロス


ガイア「待ててめぇ!」


場変


お花を摘んでいるローズマリナ


ローズマリナ「今日はこんなものかな?あぁ~あ、いつも一人でつまんない!ここには私とエロス以外誰もいないのかしら?」


ドーーーーーーーーーーーーーン!!


ローズマリナ「?」


エロス「マリナァ‼️」


ボロボロのエロスがローズマリナに触れおまじないをかける


ローズマリナ「エロス!!どうしたの?!ボロボロじゃない‼️」


ガイア「そこかぁ!!」


ボォオオオ!!

ローズマリナをかばうエロス


エロス「ぐぅううう!!」


ガイア「花畑?こんなとこがあったとは、それにお前、何隠してんだ?」


エロス「何も」


ガイア「ふざけんな!」


ガ!

蹴りあげられるエロス


エロス「がぁ…」


ローズマリナ「エロス!!」


ガイア「ッ!」


ローズマリナ「…」


ガイア「本当に何もねぇ…」


ローズマリナ「え?」


ガイアにはローズマリナが見えていない

そしてローズマリナの体が消えていく


ローズマリナ「何これ?」


エロス「…あなたを地上に帰します、幸せになってくださいね」


ガイア「あ?誰に話してる?ここにいるんだろ?てめぇの飼ってる人間が!早く出せよ!」


ローズマリナ「何でこんなこと…」


エロス「この天界に無断で人間をつれてくることは神々の間で禁じられてます、それを私は破った。処罰は重いものです。もう会うことは…できないでしょう」


ガイア「誰と話してんだよ!」


ドガ!バゴ!


ボコボコにされるエロス


ローズマリナ「エロス!!」


エロス「私は…ここにいな、くても…あなたを愛してます。一人の親として…」


ボォオオオ!!!


焼き尽くされるエロス


ローズマリナ「ッ!!!!!!!!!!!!」


地上へと消えたローズマリナ


ガイア「…クソ!人間なんかの肩持ちやがって…話せば俺が助けてやるのに、バカな友だ」


場変


それからローズマリナは途方に暮れ

自分の本当の両親を探しておりました


16歳を向かえた頃

ローズマリナは一人の少女と出会います


ローズマリナ「…」


?「凄い暗い顔してるわ、水持ってくるわね」


ローズマリナ「余計なお世話よ」


?「そ、そう…あなたのお名前は?」


ローズマリナ「ローズマリナ」


?「ッ!!!!!」


少女は驚きました

開いた口が塞がらないほどに


ローズマリナ「…」


?「お姉ちゃん?」


ローズマリナ「は?」


ローズマリナには妹がいました


?「今ローズマリナって言った!私のお母さんから聞いたの、私にはローズマリナって言うお姉ちゃんがいるって!」


ローズマリナ「ふざけないで!この名前は私の…神から与えられた名前よ!」


エロスは一言も言いませんでした

ローズマリナと名付けたのは自分だと

それは本人も理解していました

ただ否定していたかったのです


ローズマリナ「…」


エロスはきっと、神だからローズマリナが名付けられるところ、捨てられるところを天から見ていたのでしょう

ローズマリナはそう思いました


?「私リリア、リリア・ピューレ」


ローズマリナ「私の名前は…ローズマリナ・ピューレと言うのね」


リリア「お母さんたちが待ってるよ、帰ろ!」


ローズマリナ「…」


ローズマリナは怖かったのです

自分を捨てた本当の両親に会って

自分が怒りをぶつけるのか話し合うのか

拒絶されるのか殺しあうのか

それでも自然と足は前に進みました


場変


建物が燃えているなか

二人の少女が口を開けて見ています


リリア「嘘…お家が!」


ローズマリナ「…」


?「君たち、若いね!使えそうだ」


リリア「誰?」


?「初めまして、僕はオーヴェル・ティアベル世界一の科学者さ。そしてこの状況を作った張本人だ」


ローズマリナ「…」


リリア「私のお母さんとお父さんは!」


オーヴェル「あぁ、君の家族だったのか。ごめんね、実験体になってもらったよ」


家の中からゾンビのような人間だったものが2人現れる


リリア「ッ!!!」


人の目から見たらほとんど人の原形を保ってない化け物だがローズマリナにはハッキリと見えていた


ローズマリナ「あれが私のお母さんとお父さん…」


オーヴェル「さぁ、君たちも実験体になってもらおうか!」


ローズマリナ「ブリザード」


両親を凍らせ破壊するローズマリナ


リリア「お姉ちゃん?!」


ローズマリナは無意識に能力を開花させ使っていました


ローズマリナ「…」


ローズマリナにはあの日から感情がほとんどありませんでした

無の状態で生きていました

ですが久々に感情が表に出ました


ローズマリナ「妹は見逃して!私が変わりになるから」


オーヴェル「…」


リリア「お姉ちゃん…」


オーヴェル「いいだろう、今一番試したいことがあるんだ。この場でそれを済ませよう、もちろん君の妹には手を出さない」


ローズマリナ「…」


オーヴェル「これは神の血筋の血だ。これを人に使ったらどうなるか気になるだろう?特に君のような可愛らしいお嬢様系の…」


ローズマリナ「早くして」


オーヴェル「死ぬのが怖くないのかい?」


ローズマリナ「別に」


オーヴェル「そうか、ますます気に入った。これで生きていたら僕の最強の下部一号にしてあげる!」


そしてローズマリナは死にました

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