本は君と一緒が嬉しい。

あんとんぱんこ

第1話完結

ここは、街の小さな本屋。

沢山の本が、手に取ってもらえることを心待ちにして並んでいる場所。

小さいとはいえ、絵本から専門書まで揃っている本屋の本たち。

そんな本たちが、ここに並んでから思うことはみんな一緒。

「絶対に役に立つから、自分をお家に連れて帰って!」である。

どの本たちも、自分を書き上げた作者が好きだ。

その世界観を、伝えたいことを、たくさんの人に感じて欲しい。

新しい知識を、古い記録を、広く世界に伝えたい。

そして、長く大事に読まれたい。

かくいう自分も、誰かに私の中に広がる世界を伝えたくて、知って欲しい。

私の中に広がるのは、大きな森とぽつんと佇ぶピアノ、両親の事が大好きな女の子と、女の子を大好きなクマのぬいぐるみが登場する幸せな物語。

隣に並ぶ本の中には、5歳の少年が家の周辺を冒険者になって冒険する物語。

他のたくさんの子供たち向けの絵本にも、教訓や感情の機微を感じるための大事な事が書いてあったりする。

出会う事の素敵さや、友達の尊さや、優しさの有難さや、知識の便利さ、たくさんの事を教えてくれるはず。

大人が読んだって、子供に戻ってワクワクできるお話がある。

学問関係や図鑑や専門書には、知らないことや新発見がたくさん詰まっている。


最近はインターネットだとかでお家でもどこでも画面で読書をするのが多くなってきたというけど、自分達本からしたら同じようにお風呂もトイレもベッドにも一緒に連れて行って擦り切れる程に何度も読み返して欲しい。

本屋の中の、紙の本だからこその匂いや落ち着いた空気間の中で、ゆっくり考えて好きな物語や自分に必要な知識を選んで欲しい。

だからそこのお嬢さん、どうかその小さな手で本を手に取って、キラキラな瞳で絵や文字を追いかけて。そして、お家に連れて行って。

ボロボロになる程に一緒に過ごそう?病める時も健やかなるときも、絶対に損はさせないよ!

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