第28話 エリカ 公爵令嬢
エリカに腕を組まれて連れて来られたところは・・・ここらは、貴族街だよな?
「そうよ、そこ!」
って指さされた屋敷へ入るんだろうな・・・
門のところで、「あっ!エリカお嬢様!」って警備員逹が最敬礼だな。
まあ、そのまま庭を通って屋敷の中へ、そこに中年の使用人が現れた。
「こんにちは、マーサ、少し部屋には誰も近づけないでね」
「はい、かしこまりました、エリカ様」
と・・・現在、彼女の部屋で二人きり。
「ねえ、ケンジってさぁ〜 転生者でしょ!」
って、そら、いきなりきましたね〜
「なぜ? そう思われるんですか?」
「だって、いろいろ非常識!じゃあない?」
「そうですか?ねぇ〜」 「そうよ!」
・・・
「うふふ、図星!みたいね・・・でも、良いわよ! 勘違いしないでね、それであなたを切り刻んだりしないから・・・」
(切り刻む?って何なんだよ?〜)
「そうですか? まあ、僕はいつでも逃げることはできますからね、特に恐れることは何もないんですよ」
「まあそうよね・・・分かるわ!」
「ねえ、いろいろケンジの秘密? 教えてよ!」
「例えば?」
「そうだなぁ〜・・・転移は? できるわよね?」
「・・・まあ、できますよ、でもそれ、転生者が全員できるってものでもないんですよ、知ってました?」
「えっ、そうなの?」「はい、そうです」
「転移スキルは、転生者の中でも一部のものしか持てません」
「でも・・・ケンジは持っていると?」「ですね〜」
「なら、良いわ!」
「あとは、この前言ってたわよね、この魔法鞄の色や形を変えることができるって」
「そう、言ってしまいましたね・・・」
「そうよ、でもね、この黒い鞄を、私のポーチに入れて使ってみたの」
「はい、わかりました! 出来ましたね! 両方、スムーズに連携できましたか?」
「そうなのよ〜 できちゃったのよね、やっぱり、知ってたのね」
「ええ、まあ、魔法鞄には詳しいかも?です」
「へえ〜そうなんだ! それで、そうすれば、容量が大きい方は時間停止、小さい方は時間経過として使い分けができることもわかったのよ」
「ですね〜」
「でもね、やっぱり、この黒いの、それだけで持つこともあるかもしれないじゃない? 色を変えてほしいわ?」
「まあ、それでも良いけど、その小さいほうのポーチの容量を変えてみません? いま、容量・中ですよね、せめて容量・大くらいにしたら、もっと、使い心地がよくなるのでは?」
「嘘! そんなこともできちゃうの?」
「うん、まあ、やってみなければ、というのはありますが、恐らく可能です」
「そう、ならまずこれ、大きくしてちょうだいな・・・、あっ、中身は? 出したほうが良いの?」
「いえ、そのままで・・・」
って、ポーチを借り受けて、両手で包み込んで錬金・変形で内部空間拡張、容量・大に変更して、まあ、ついでに魔法を付与しておこう・・・
不壊と清浄、っと・・少し説明してからポーチを返した。
*エリカの魔法鞄:修正:ケンジ
・容量・大、時間経過
・不壊、清浄、
「ねえ、それはどんな魔法なの? 」
「ああ、不壊は、それを壊そうとしても壊れません。清浄は、いつも清潔を保ちます、汚れません。」
「ふふふ・・・ありがと!」
急に、小声で・・・
「ねえ、ケンジ? 今夜ここに泊まっていかない? ねえ、良いでしょ? もっと話が聞きたいわ!」
おお、これは、なかなか色っぽい誘惑だな・・・本気なのか? まあ良いか・・・
*
「うふふ・・・ケンジ?起きてる? ありがとうね・・・」
まあ、エリカは
「これで、うまくいけは転生者の子供を授かれるわ!」
「なんか、恐ろしいこと考えてないか?」
「違うわよ! この世界もだんだん変わっていかなくちゃ!って思ってるだけ・・・」 (って、抱きついてきた)・・・またかよ〜 こいつ・・・
二人で部屋のシャワーを使って体を清めてから、朝食は、食堂で頂いた。
マーサ・メイド長の用意してくれた温かい朝食は・・・美味しかった!
なんか、こういうの、最近の記憶には無いな・・・ありがとう。
食後のお茶は、またエリカの部屋で・・・
「お貴族様の家はこんなものなんだな・・・」
「ふふふ、そうよ、ケンジも、もう慣れたでしょ?」
僕からプレゼントだって言って、ミスリルの指輪を出してあげた。宝石だと邪魔になりそうだったしね、魔法もいろいろ付けてあげたかったので、ミスリルで急遽作ってみた。
「うん?これは?」
「ああ、手作りだから、少し無骨かもしれないけど、エリカには長生きして欲しいからね、この世界はいろいろ物騒だろ?」
「うん、そうね、ありがとう。それで、これは?どういうふうに使うの? 何か仕掛けがあるんでしょ?」
*エリカのミスリルの指輪 使用者限定:エリカ
まあ、説明しておいたよ・・・
・不壊、攻撃反射、魔法反射、
・念話、隠密、瞬歩、催眠、身体強化、
・使用者限定:エリカ
魔法を付与したミスリル製の指輪だ。
「攻撃反射や魔法反射は、もしエリカが他から攻撃されても、その指輪を身に付けていれば、物理攻撃や魔法攻撃をすべて反射して相手に返します。そのスキに瞬歩で逃げることができる。
念話は、まあ、あとで・・・
隠密は、こうです。」 って僕が消えた・・・
「あれ? ケンジ? どこ? 」「ここにいますよ」って隠密を解除した。
「これも、逃げるときに使えます。瞬歩は解りますね、早く走っているように瞬間的に移動できます。
それと、催眠、これは相手を眠らせて行動不能にする魔法です。自分よりレベルがかなり高い人には効きませんが・・・
まあ、相手をむやみに傷つけずに黙らせることができます。」
(どうですか? わかりましたか?)
「あれ? ケンジなの? 頭の中にケンジの声が伝わってきたわよ?」
(そう、これが念話です。話したい相手のことを思って、思いを伝えるだけです、声に出す必要はありません)
(・・・・うう・・・こう?かしら)
(そうそう、出来てますね)
(ふふふ・・・嬉しいわね、ケンジと秘密の会話ができるなんて!)
って、また抱きつかれた・・・
マーサさんが部屋までお茶を持ってきてくれた。
僕たちが体を寄せ合って座っているのを見ても、表情も変えず何も言わないで部屋からさがっていった。
(お貴族様の使用人さんも、いろいろ大変なんだな?)
「それはそうよ!」
(なんだ?聞いていたのか?)
(だって〜 聞こえるんだもん!)
(まあ、良いけど・・・僕は、貴族にはならないよ!)
(なぜよ! 私と一緒になればもうそれだけで、伯爵以上よ?)
(なに? エリカは僕を貴族様にしたいのか?)
(別に・・・そうじゃないけど・・・、そうね、貴族になっちゃったら、身動きが取りにくいわね・・・そうね・・・)
(あ、そうそう、メリルもケンジを狙っているわよ、気を付けなさい? あの娘は、私みたいにで出しゃばってはこないけどね・・・根に持つタイプだからね・・・)
(なにそれ? エリカは、僕がメリルとそういう関係になっても良いの?)
(別に?良いわよ、この国では、妻なんて何人でも持てるわよ!)
(へえ〜そうなんだ〜・・・でも、それって?貴族だけだろ?)
(違うわよ、貴族でも、お金や資産や能力がなかったら・・・無理ね・・・)
(何だよ、金次第ってことか・・・)
(だって〜 食べたり、買い物したり、旅に出たり、使用人を雇ったり、いろいろ必要でしょ?)
(確かに!そういうので、金を回さなければならないのも、金持ちの役割か〜)
(そうそう、なに! ケンジはよく分かってるわね! 大好き!・・・)
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