第26話 Bランク冒険者の盗賊団 

「ところで、このあたりの盗賊などの対応は、誰が? どこが?やるんでしょうか?」

「まあ、王都から出張ることは無いな・・・あと、このあたりの小さな領主では、まあ手に負えん・・・かと言ってエンゲ辺境区の持ち場でもない・・・」

「ということは?」

「つまり、・・・ということだな」

「そう・・・なんですね・・・」

「なんだ? 盗賊共に遭遇したいのか? ケンジは?」

「いや、いや、特にそんな希望はありませんよ、まあ遭遇したら・・・対処しますけどね・・・」

「ははは、ケンジに目をつけられる奴らも、いい迷惑なことだろうよ」

「「うふふふ、あはははは」」


うん、エリカは何か、僕から探ろうとして考えてしゃべっているけど、自然に出てくるその会話術! 見習いたいものだよ・・・こっちは苦労するんだよな〜


と、ここで、二人が馬車に乗り込んできた、新しいお客だな。まあ、どこから見ても、冒険者の男で二人組。一人は大剣持ち、もう一人は盾持ち。一応、鑑定!


*ラゴス:冒険者 魔道士 Bランク レベル220

・称号 殺人、窃盗、盗賊

*ベロス:冒険者 剣士 Bランク レベル220

・称号 殺人、窃盗、盗賊


あれ? これ、駄目!なやつだろ! 二人共・・・称号:殺人・窃盗 って?なんだよ、これ・・・


しばらく進んで、小屋のようなものが建っているところで馬車が止まった。馬に給水させる場所らしい。御者が言うには少しここで馬を休めるので、用足しに行きたい人はどうぞ、というが、まあこんなところにトイレがあるわけもないので、その辺の林にでも入って済ませば?ってことなんだろうな。20分くらい馬の世話をするようで、出かけても良いが、出発までに帰ってこない場合はそのまま放置されてしまうらしい。

馬が一番優先なんだな・・・

ちょうど良いので、エリカを呼んで、Bランク冒険者たちについて僕が感じ取った情報を伝えておいた。

「そうか・・・じゃあ、ここで馬車を降りようか?」

「えっと・・良いんですか?」

「うん、でもヤバイかもしれんのだろ?」

「はい・・・」


まあ、まだ何も問題は起きてはいないけど、先に不審な芽は摘んでおきますか・・・

問題の二人も馬車を降りて、何やら話し込んでいるので、盗聴!

「この先だろ、奴らが待ち構えているのは?」「ああ、その手はずだ」

「馬車の中は、商人と、冒険者だが、あの彼のレベルは?」

「ああ、200だろ? まあ、俺達の敵ではないがな・・・武器も持ってなさそうだし」

「ああ、でも油断するなよ・・・」


おやおや、なんだ? 誰かが待ち伏せ? マッピング! 

確かに! この先1kmくらいのところにの気配が集まっている。なんだこの辺りは本当に無法地帯なんだな・・・

手下の盗賊に襲わせて、二人は馬車の中から乗客に襲撃を加えて、金品を巻き上げる・・・そんなところか?


では、その計画、潰そう! まずは、Bランク二人に、催眠! をかけて、無力化する。

お、さすがBランク冒険者たち、レベル220は伊達じゃあないってことか? 耐えているな、魔法士を探すように周りをきょろきょろしだした、まあ、隠密状態の僕を見つけられないだろうけど?

再度、魔力多めで気絶!をかけてやった。 金属反応のあるものを転送で回収しておいた。剣、盾、所持金貨、銀貨、そしてBランクカード2枚。


エリカのところへ戻っていろいろ情報を共有した。

「そうか・・もう無力化したのか・・・早いな!」

「まあ、先手必勝! 悪意の芽を摘んでおいただけです、それで、この先、待ち構えてる連中は、どうしますか?」

「どれくらいの時間が必要だ?」

「えっ!僕ですか?」

「そう、ケンジ! 殺るんだろ?」

「そうですね〜 ですよ!? 10分もあれば・・・」

「よし、わかった! 15分くらい馬車をここに止めておこう!じゃないか!」

「えっ!」

「なに・・・金貨1、2枚、握らせれば、なんとかなるだろ? (頼むからこれで、・・あと10分、連れが戻ってくるのを待ってくれないか?)ってお願いするだけさ・・・」

「まあ、そこは知りませんが、では行ってきます!」

「ああ、気をつけろよ! あと、!期待してるから!」


なんなんだ〜このお嬢様は!〜・・・


早速、瞬歩!で走り去って、転移!で待ち構えている連中のところへ移動してきた。総勢20人。

盗聴!してみる。

「そろそろ来るはずだ、お前ら、ぬかるなよ!」

「ああ、頭(かしら)たちも馬車に乗ってくるんだっけ? こんなの朝飯前の仕事にもならねえ・・」

「そうだ!そうだ〜・・」

「良いか? 女子供は殺すな! 手柄の多い順にお楽しみもあるかもな〜?」「おおお〜〜〜!」


はいはい、そういうのを、取らぬ狸の皮算用って言うんだよ!

(スラ! 全員処分する! やれるか?)

(良いの〜?)(良いよ!)

スラのでかい雷が轟いて、大きな光の柱が4本、奴らに降り注いだ。

まあ、・・・すべて感電で即死だな。でもそんな焦げた野原の端に、転がっている物がある、黒い色で、見逃すところだったよ。

鑑定!

*魔法鞄:所有者:ラゴス:容量・大、時間停止、清浄 

僕が手を触れたら、所有者が空欄、初期状態になって、所有者変更:ケンジ となった。


中身の目録を見てみたら、

・バンス王国金貨6000枚、銀貨2000枚

・ミスリル剣x2

・ミスリルナイフx4

・人身売買の帳簿(日付、納入先)

・隷属の首輪


はい、これを回収して・・

ここの後始末は・・・まあとりあえず、僕の魔法鞄に収納しておいた。

*盗賊団死体20を魔法鞄に収納

さて、急いで戻ろう!

転移!で戻ってみれば・・・


あのBランク冒険者逹が起きてきていて、馬車によろよろ近づいてきてるよ・・・

しかも、ラゴスだっけ?魔道士が魔法の準備をしている。いや、もう既に魔法攻撃をしたんだな、地面が焦げているし・・・

これは・・・奴に魔法攻撃を打たせたら駄目だ! 

とっさに、をひと振りした。

ラゴスだけではなく、ベロスの首も落ちた・・・・・


「ケンジ!〜 待ってたぞ〜」

「ううう〜〜、ケンジさん、遅いです〜〜〜」

「うん、ケンジさん、見事!です」


「あああ、お客さん、ありがとう。あいつら急に魔法を放ってきたんだ・・・」


あああ、やっちまったな・・・まあ良いか・・・

火葬くらいしてやろう・・・


みんなには馬車に戻ってもらって出発の準備をしてもらうよう、エリカに言ってもらった。みんながそこから去ったのを確認してから、二人を転送!で寄せて、その同じ場所にさっきの盗賊団20人を出す。

スラと協力して、火炎!強めで・・・すべて燃やし尽くす。 火葬完了。


まあ、何度やっても、こういうのは後味が悪いな・・・この世界では普通のコトなんだけど・・・

「なんだ?ケンジ? どうした?・・・私の胸で甘えるか?」

「いや、何でもないですよ・・あと、その場所は危険な香りがするので、遠慮します・・・」

「そうか? もったいない!ことを・・・」


はいはい、もう良いですから・・・


盗賊たちの顛末を話して、お土産!って、ラゴスの魔法鞄を差し出した。

「これは?」

「さきほどのBランク冒険者のラゴス魔道士の持ち物だったものです。今は所有者は未定の状態です。中身は、金貨、銀貨が少し入っていたので、僕がもらっておきました。なので、鞄を、どうぞ・・・」

先程、再度、所有者情報をクリアーしておいたので、次に触れて魔力を流せば新しい所有者として登録される・・・

「なに? 本当にお土産があるのか!?」「どうぞ!エリカさんにあげますよ」

*お土産は魔法鞄:容量・大、時間停止、清浄 

・中身は、人身売買の帳簿、奴隷の首輪が数個


「本当に良いのか?」

「どうぞ!」



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