第7話 氷龍 

さて? これ、どうするよ〜

(主〜これ登るのか?)

(そうだね、右も左も同じ様な壁だよな、スラが言うように登ってみようか・・・)

と、スラが、僕の肩の上に乗ってきた、なんだ? コイツ、自分で行くんじゃないのか・・・

いきなり、頂上を目指して転移!という手もあるけど、まあ、ここは、急ぐ旅でもないし、見える範囲で様子を見ながら、瞬間移動を繰り返していきますか・・・


崖が、垂直じゃあなくて良かったよ、少しでも足場があればなんとか繋いでいけそうだ。

何回か移動を繰り返して、鑑定では3000m地点、まだもう少しあるみたいだな。

この岩山は標高5000mってところか! なんという場所だよ!・・・


しかも、3000m超えたあたりから、頂上にいるやつの気配がどんどん強くなってきている、これはまあ、ドラゴン!って奴だろ? でなきゃ、何だっての〜

4000mを超えたあたりで、より気配がはっきりしてきた。

氷龍だね。周りの空気がかなり冷えてきてるし・・・

(スラ? 寒くはないか?)

(うん? 平気だよ?)

そう・・・ですか〜 ひょっとして僕よりも平気そうだな。


さてと・・・登りきった!頂上には、平らな場所があって、ヘリポートみたいだ。その後ろに、格納庫? まあ、洞窟がある。気配からしても、氷龍の住処だろ?

すると・・・そら来たよ!いきなりの氷雪のブレスかよ〜

なんとか、僕の結界!で防ぐことはできた。まあ、彼なりの挨拶なのかな?

普通、こんなところまで、誰も来ないだろうに・・・


(おお、久しぶりのお客?かと思えば・・・人間なのか? よくここまで来れたものよ)

(ああ、すみませんね〜 精霊の森を通り抜けたら、大きな岩山の壁があったので、とりあえずそのまま登ってきました)

(ブハハハハ〜、アレを登ってきただと? 見事! まあ、中に入って来い!)

言われるままに、洞窟に入っていった、もうブレスは受けなくても良いらしい・・・


(あははは、さっきはすまん!な。まあ、ドラゴンの挨拶なんてあんなものだ、よく耐えたな。それに、あの崖を登って来るヤツなど、お前が初めてじゃないか?)

(まあ、そう言われましても、それしか方法がなかったもので)

(いやいや、戻ればよかろう?)

(いやいや、せっかく森を抜けれたのに、戻れ!と?)

(ぶはははは、いや〜重畳!重畳! お前、人間だよな、名前は?)

(はい、人間です、僕の名前はケンジです、はじめまして、氷龍さん)

(はは、お前にはわしの姿が見えていると? 氷竜のフリをしておったのじゃが・・・)

(はい、氷竜ではありませんね、氷龍さんに見えます・・・)


(・・・ ほう? なるほど! お前、ケンジだったか、良い加護を持っておるな・・・)

(はい、いろいろありまして・・・)

と、僕の収納内に変化があったな、何かが送られてきたようだ。

探ってみれば、お酒? 神級精霊酒だって? ひょっとしてこれを手土産にしろ!ってことなのか・・・

*精霊酒(神級)

(あの〜、氷龍さん、実は・・・手土産を用意してみました、受け取ってもらえますか?)

って、精霊酒を2本出して彼の足元に置いてあげた。


(おおお〜〜、これは、精霊酒! しかも神級? そうか! の知り合いかケンジは・・・)

って、早速、1本をゴクゴク、ラッパ飲みかい! これは貴重な酒だよな・・・

あっという間に飲み干して、

(美味い! ケンジよお前が気に入った! わしの加護をやろう・・・)

って、僕のところに、5cmくらいの氷の玉が転がってきたので、拾い上げてみると、僕の手の中で溶けていってしまった。あれ? 

(よし、良いようだな、ケンジよ、自分を鑑定してみろ!)


確かに・・・

・加護:氷龍ガウスの加護(追加)

これは?

(まあ、もらっておけ! それで、竜魔法が使えるようになるし、人間の魔法の効果を強化できるものぞ・・・まあ、これでもうお前は死ぬことは無いな・・・あははは〜)

ああ、とんでも無いものをもらってしまったな〜 

さらに、僕のスキルに、状態異常無効が追加されているし、竜魔法として、飛行、浮上、気配遮断、変化、などなどを使えるようになっている。


・スキル:状態異常無効(追加)

・竜魔法:飛行、浮上、気配遮断、結界、変化、

・氷竜魔法、


あと、氷龍のお宝の中から、いろいろなものをいただけた。いずれも、壊れてはいないが使ってもいない、というものらしい。それをもらえた・・・


*魔法鞄:容量・大、時間経過:ワイバーン革製、ウエストバック型

*錬金の腕輪(竜魔法)


魔法鞄は、どこかで拾ってきたものらしい。僕の収納鞄をみて、(そんな鞄をこれみよがしに付けてることは無いだろ? こいつをやるから、この中にでも隠しておけ!)ってことだ。

確かに! これなら、ごくありふれた鞄に見えるし、何よりも、転生神の収納鞄をこの中に入れておくことで、両方! 時間経過空間も、時間停止空間も使える! しかも小さくて邪魔にもならない。


錬金の腕輪は、氷龍が、暇を持て余して作ったものらしい、彼にとっては遊び感覚でも、できたものは竜魔法レベルの一品だ。これは単純に!嬉しい。僕も、錬金は持っていないし・・・

あとは、僕の腰にさしてある青い精霊剣をみて、(その剣も目立ちすぎ!)って、剣に認識阻害竜魔法をかけてくれたらしい。確かに、普通には、ただの冒険者の鋼鉄剣にしか見えない・・・ああ、いろいろ、ありがとうございます!


と見れば、スラも、氷龍から氷の玉を頂いたようだ。すでに体内に取り込んで現在消化中。

(主〜 ドラゴンさんの加護をもらえた!)

ああ、そうだね・・・(すみません、スライムのスラにまで・・・)

(ああ、そのほうがお前も何かと都合がよかろう?)

ああ確かに! 感謝!感謝!です・・・


*スラ:氷龍ガウスの加護を得る


帰りがけには、(この先、まっすぐ北に向かえば、はるか先だが・・人間の街があったな・・)っていう情報を頂いたので、氷龍ガウスに感謝と別れを告げて、スラを連れて飛び立った。

早速の竜魔法・飛行!だ。状態異常無効が効いているんだろう・・・こんな上空を生身の体で飛んでいるのに、なんとも違和感が無い。快適だ!

空を飛べるって・・・こういうことなんだな・・・


レベルが急上昇した。

僕は:600➯900 (偽装※150)

スラ:200➯300


人間の街へ入る前に、スラのステータスを偽装しなければ・・と思ってやってみたら、僕の従魔になっているセイなのか、僕の鑑定・ステータス偽装!で出来た。


*スラのステータス偽装

▶スラ:スライム:(特殊)レベル50(300)

・加護: なし(転生神、ケンジ、氷龍ガウス、精霊女王マドカ)

・ケンジの従魔

・スキル:身体強化(暴食、体内収納、言語理解、念話、氷龍魔法)

・取得魔法:なし(火炎、ヒール、回復、治療、)


まあ、調子に乗ってあれから、かれこれ5時間くらい飛んできたんだけど、やっと、遠くに街らしいものが見えてきた。立派な石垣の外壁に囲まれた大きな街だ。

まだ、空の上だけど、ここで、住居にはいれるかな?ってやってみたら、すんなり異空間住居に移動できた。なんだ〜 もっと早く気づけば良かったよ・・・

異空間住居に入って、そのまま遠くに見える街の近くまで転移!したら、行けたようだ。

異空間から見える街がかなり近くになってる。 なんだ? 異空間住居のまま普通に転移もできるということか・・・



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