第3話 ワイバーン討伐依頼
更にまた2週間後に、依頼があった。<魔狼の牙>からだ、3度目だな。お得意さん?
今度は何か?って聞いたら、ギルドの依頼で、ときどき目撃されているワイバーンを討伐、ときた。良いけど、失礼だと思うが、魔狼の牙だけでは力不足なんじゃないか?
まあ、だから・・・僕へのメンバー依頼ということかな?
場所は、街から馬車で3時間程度、山の入口あたりまで行って、そこからは徒歩登山で、3時間くらい山に入るそうだ。まあ、泊りがけだから、僕への依頼料も増えるけど・・・
なぜ?転移を使わない?って? この時代のこの世界で、転移持ちがごく稀!で、というか、ほとんど誰も持っていないということだ。
それこそ、どこかの召喚された勇者とかなら持っているだろう・・・
あまり人前でやすやす使うわけにはいかないのだ・・・
なので、初日はまあ移動だけかな?
夕方、日が沈む前には拠点とする予定の場所に到着して、早速、野営宿泊の用意がはじまった。
僕は基本、そういうのは不要なのだが・・・ここは、みんなと一緒だからね、合わせる。それでも、収納鞄にはいろいろ入っているから便利といえば便利なんだけど。しかも今回は、みんなのテントや寝袋まで収納してきているからね、これだけでも僕を雇ったことを幸せに思うことだろうよ。
夜番を順番にこなしながら、結局、その夜はワイバーンの鳴き声が遠くで響いていたくらいで、直接の魔物からの攻撃はなく、みんな良く眠れたようだ。
朝食をそれぞれで適当に食べてから、荷物を片付けて、また僕がすべての荷物の収納を引き受けた。
さあ、今日はもう少し山奥に入る。どのあたりでワイバーンに遭遇するだろう?
かなり、山の中を奥まではいったあたりで、昼食休憩だ。リーダーが突然「暖かいものを食べたい!」なんて言い出したよ、確かに、ここは寒い山中だけど・・・まあ、リーダーがそういうならと、メンバーが賛成したので、4対1で僕の負け。
収納から、竈や鍋を出して、肉はオークあとは適当に野菜と香辛料、塩、味噌を加えて、まあ豚汁風味噌煮込みかな?
「なあ、ケンジよ、これ美味い!んだが、このこってり味のものは?」
「ああ、それは、ミソだよ、前にどこかで買っておいたやつ、こういうふうに使うと美味いだろ?」
「ああ、体もあたたまるし美味いし、これ良いな〜」
などと楽しく?やっていたんだけど、そんな良い香りに誘われるのは、腹ぺこの人間だけでは無かったようだな・・・気がつけば、我々の上空をワイバーンが6体、グルグル旋回して我々のことを見ている。しまった!な、食事作りに夢中で、気配を逃してたよ。
メンバーの誰かに気配察知しろよ!とも言えないしね・・・(できないから)・・
そういうことなので、我々も、早々に昼食を終えて、片付けをして臨戦態勢を整える。
まるで、そんな我々の様子を待ってた!とでもいわんばかりに、2頭がス〜と高度を下げてきた。
まあ、ドラゴンと違ってブレスは吐かないけど、羽ばたきの風圧や脚の爪攻撃、さらに、嘴での攻撃は強烈だ。
4人が2頭に向かって行った。打ち合わせも何も無い。ただ来たものを受ける!それだけ・・・でも、まだ、上空には4頭がいて、そんな状況を見ているんだよな〜
4人は、まあ苦戦している。空を自由に舞われたら、なかなかこちらからでは手出しもできない。ナナが風魔法を放っているけど、ワイバーンに届く前に消されてしまう。完全に魔力負けしてる。
剣士の剣は、ワイバーンに空中でうまくかわされて空気を切るだけ・・・
まあ、こういう場合は、まず、ワイバーンを地面に落として、飛行能力を奪ってからの総攻撃だろ・・!
4人が戦っている2頭のワイバーンに向けて加重! 光射!で、羽に穴を数カ所開けてやった。あとは、お前らでなんとかしろよ!
そんな状況を見て、上空から4頭が急降下してきてるしね〜
まあ、同じ場所だと面倒なので、瞬歩!で、そこからかなり離れた場所に移動する。案の定、あの4頭は僕をめがけて追ってきてる。
さあ、来るなら来い!ってやつ・・・風刃!を強めに4発放った。
シュッ! スパッ! ズサッ! ズサッ!と、ワイバーン達が地面に届く前に、4個の首が落ちてくる。 はい、終わりです。
みんなのところへ戻る。地上での負傷したワイバーンとの戦いなのに・・・苦戦しているのか?〜
大剣を振るっても爪先でかるくあしらわれているし、中途半端な剣術では、ワイバーンの羽を切り落とすことさえできてない。反動で押し倒されて、立ち上がるのがやっと?
「おお〜、ケンジ! 助太刀を!頼む〜」
はいはい、行きますよ・・・・
風刃!2発発射! 2個の首が落ちた。
「瞬殺か!〜 すまん、ありがとう!」
まあ、後始末として、ワイバーン6頭を全部収納して、頭も拾って回収してまわった。
4人は、どうやら満身創痍で動く気もないようだ。
まあ良いけどね〜
夕食も・・・食欲も失せているのか、そのまま寝てしまったよ、なんだ? 僕は当たり前のように夜番になった・・
真夜中にリーダーが起きてきて、僕のところへきて、「すまんかった、夜番をかわるから、ケンジも休んでくれ・・・魔法鞄は俺達がみているから・・・」
というので、まあ、テントに潜り込んで休ませてもらいましょうか・・・(鞄は開けようとするなよ!)・・・
・・・・・・・
と、朝になってみれば、・・・この有様だよ!・・・
*ワイバーン討伐6体討伐
*魔法鞄を開けられた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます