結城
「クソが!ふざけやがって!」
真利奈の家で真利奈を抱いていた時、名案が浮かんだ。抱くのに飽きた真利奈を他の男に抱かせて稼ぐ…高校生でも女を抱けるなら5000円くらいは出すだろう。
俺は使い古しの女を使って金が稼げる。
真利奈も男に抱かれて気持ち良い。
買う奴は破格で美少女を抱ける。
全員が良い目を見れる最高のプランだったのに…真利奈の奴が逆らいやがった。俺は自分に逆らう奴を許せねぇ。だからつい熱くなってやり過ぎちまった…
真利奈の弟も俺に噛みついてきやがったし…真利奈の母親は警察に通報しやがった…最悪だ…なんで俺があんな中古女の為に警察に追われなきゃなんねぇんだよ…
数日間は女の家やダチの家で過ごす事ができたが、徐々に警察の手が伸びてきた。警察に共犯だと疑われたくない奴らは俺を切った。だから野宿するしかない。ネカフェに泊まるのは危険だ。逃げ道がねぇしな…
公園のトイレ…橋の下…いろいろ回ったが、今は建設途中で工事が中止になった工場で過ごしている。…たまに見回りとか来るけどな。
1週間ほどで手持ちの金が尽きた…コンビニに行くのも命懸けだ…カメラに映るだけで警備が強化されるかもしれない…服も汚れてきてるし、風呂にも入ってないからそろそろホームレスに見られる気がする。
…仕方ない。家に帰ってみるか。真利奈をボコってから10日以上経ってる。…今なら警察の目も緩くなってる気がするしな。
近くに警察がいない事を確認して家に入るとお袋がいた。俺はお袋に何も言わずにシャワーを浴びる。…全身が痒かったからな…体を洗っただけで生き返った気がするぜ。
風呂から上がった後は冷蔵庫の中を漁って腹を満たす…飲み物がビールしかねぇ…仕方ねぇよな。生命の危機だからよ…飲み物がビールしかないんじゃ飲むしかねぇ。
空きっ腹にビールはヤバいな。あっという間に酔いが回った………って、ちょっと待て。お袋はどこだ?……ヤバい!
「クソが!」
あのババア…俺がシャワーを浴びてる時に通報しやがったな!絶対に許さねぇ!
使えそうな物や食えそうな物をリュックに詰め込んで慌てて着替える。…チャイムが鳴った!?クソ…裏口から逃げるしかねぇ…!
裏口から外に出た瞬間に3人の警官に囲まれた。…読まれてたって事か。ならコイツらを潰して逃げるしかねぇよな!
「邪魔だ!」
俺の全力パンチはあっさりと躱され、腕を捕られて捻りあげられた。…え?マジで?警官ってこんなに強いの?どう見てもただのオッサンなのに…
「公務執行妨害…他いろいろ…未成年の飲酒も含めて現行犯逮捕な」
…捕まる時は本当にあっという間だった。10日以上も必死に逃げてたのによ…3人の警官相手に勝てる気がしなかった俺は大人しくパトカーに乗った…
パトカーが出る時に歩道の木の陰からこっちの様子を見ていたババアを見かけたから睨み付けておいたけどな…クソが…あのババアがいなけりゃ捕まらなかったのによ…
俺は1年半の間、少年院で過ごす事を余儀なくされた。なんでこんな事になってんだ?俺は反抗的な女を躾けただけなのに…
少年院の生活は地獄だった。生活が単調で規則的なのは…まあ、いい。問題は夜だ。
同室にヤバいのがいた。表面上は職員に忠実だが、裏では…
「今回の新入りはなかなかいい男じゃねぇか…」
同室の奴らに抑えつけられて…俺は室長に犯されて処女を失った…
翌日、俺は職員に相談した…だが…
「お前…暴行と強姦で捕まったんだろ?やられた相手の気持ちを理解できて良かったじゃないか?」
馬鹿にするような顔でそう言われて…思わずぶん殴りそうになった。耐えたけどな…
「ここを出たら訴えてやるからな…!」
「好きにしろ。刑務所も少年院も過去に何度も訴えられている。…今の現状が全ての答えだ」
…訴えても…無駄って事かよ…
諦めるしかなかった…1年半の間…ほぼ毎晩…俺は室長に抱かれ続けた。同室の他の奴らは俺を差し出す事で身の安全を約束されていたようだ…
室長は極悪人だった。捕まったのは婦女暴行…男も被害にあったそうだ。ほとんどが中学生以下…力の弱い相手を一方的に嬲っていたそうだ。
…俺も人の事は言えないか。真利奈や真利奈の弟…弱い相手に暴力を振るう事に快感を感じていたのだから…2人が動かなくなった後…性欲を真利奈で発散している時に真利奈の母親に通報された。
…自分がやられて初めてわかった。自分がどれほど最低な事をしたのかを…だから…次はもっと上手くやろうと思った。
…少年院を出た俺は真っ先に実家に向かった。迎えにもこないとかふざけやがって…
家に着くと…俺の実家は売りに出されてた。…え?俺の家族…どこ行ったの?
仕方ないので隣の家に住んでる奴に聞いてみた。
『はい。どちら様ですか?』
「隣に澄んでた結城ですけど」
ガチャッ
…インターホン切られた?……おい。ふざけんなよ。使いたくもない敬語を使って聞いてやったってのに…
まあいい。次だ。
ガチャッ
ガチャッ
ガチャッ
…………あ?何で名前言っただけでこんな対応されるんだよ。ふざけんな。
近所の豪邸に住んでるマダムが歩いていたので話しかけてみた。
「あ、スミマセン」
「貴方は…結城さんの…」
「あ、はい。ウチの家族がどこ行ったか知りませんかね?」
マダムは後ずさりながら俺と距離をとろうとしている。…何でだ?
「…なあ」
「イヤアアアアアッ!!犯されるぅぅぅっ!!」
マダムは凄まじい大声でとんでもない事を叫びやがった。どっから声出してんだ!?
「…おい」
「アナタ…ごめんなさい…私、レイプ魔に犯されちゃうの…仕方ないのよ…抵抗すると乱暴されちゃうから…仕方ないの…」
マダムはそう言いながら服を脱ぎ始めた。……むしろお前が逮捕されるべきだと俺は思う。…って、路上で下着姿とかマジでヤベェだろ!?くっそ、黒とかエロすぎだろ…なかなか良い体してるし…じゃねぇ!
「…無理矢理だから仕方ないの…若い男に力ずくでされちゃったら抵抗なんてできないの…ごめんなさい…愛してるのはアナタだけなの…」
マダムの目が据わってる。逃げねば。このマダムはマジでヤバい。俺は少年院の規則的な生活で得た身体能力をフル稼働させてその場を離れた。
少し離れた場所にある公園の茂みで身を隠す事にした。…まさか近所にあんなモンスターが住んでたなんてよ…
実家に帰るのは無理だ。あれ、もう実家じゃねぇし。…どうすっかな…ダチの家も無理だろう。大学とか行ってたら実家にいないだろうし…
俺は考え事に没頭しすぎて背後から近付く気配に気付く事ができなかった…いきなり背後から抑えられ、服を引きちぎるように力尽くで脱がされる。
「…な…誰だ!?」
「こんな場所でレイプされるなんて…アナタ…ごめんなさい…」
馬鹿な…追いついてきたって言うのか!?下着姿で!?痴女じゃねぇかよ!?
「明らかに襲われてるのは俺だろうが!」
「ウフフ…若い男なんて久しぶりだわ~。最近、ミツル君とも会えなくなっちゃったし…」
「本音漏れてんぞ!ミツルって誰だよ!?」
マジで動けねぇ…なんだこの力…!必死に抵抗しても抜け出せない…
「この歳になるとボディラインの維持も大変なのよ?毎日鍛えてるんだから。貴方がいくら頑張っても無駄よ」
「く…クソが…!お前のほうがレイプ魔じゃねぇか!」
「貴方は本物のレイプ魔…私が被害届けを出したら世間はどう見るかしらね?」
…最悪だ。このババアが被害届けを出したら俺はまた捕まっちまう…再犯は問答無用で刑務所だろう…
「わかったのなら…頑張って私を愉しませるのよ?」
「ち…ちくしょおぉぉぉ!!」
翌日、犬の散歩をしていた近所に住むおじさんが干からびたミイラのような青年を発見し、通報する。
青年は病院に搬送され、数日後には回復したが、何があったかは決して喋らなかったという。ただ…その表情は憑き物が落ちたかのような晴れやかな顔だったそうだ。
青年は退院後…役所で手続きを済ませ、住所を得た。様々な仕事をこなし、入院費用の返却の為に必死で働いた。住所や仕事に関してはある方の助力があった事でスムーズに進んだ。名前は伏せさせていただく。
入院費の完済後も真面目に働き、生活基盤を整え、慎ましやかに過ごしたそうだ。
深夜になると青年の住んでいる部屋から獣のような声が聞こえてくるというが…その声がいったいなんなのかはわからない。
追記…なんとなくマダム出したかったのです。後悔はしていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます