一ノ扉(いちのとびら)

絵本コーナーに向かう、白ウサギ。


手に持っているには、時計ではなく、茶色の革表紙の…


本だと思った。

鍵の付いた日記帳に見えたから。

でも、

白ウサギが、その鍵を外して、本を開くと…


ひとつの門扉が、現れた。


少しだけ開いたトビラ。

音もなく、静かに閉まりかけている。


大きな扉… と見上げていたら、

トビラが閉まる、その直前に、

白ウサギが飛び込んだ。


わたしも慌てて、飛び跳ねた。


トビラの向こうには、お花畑…なんかなくて、


ぐるぐる回れ ぐるぐる回れ


と、歌が聴こえた。



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