どうでも良い

@kyabetu_kun

第1話

気がついたら雲の上にいた。


恐らく死んだらしい。10人ぐらいの天使に囲まれ、見下されていた。


もっと穏やかな感じで迎えられるのかと思ったけど、天使って意外と圧がある。




「こんにちは」


一人の天使が言う。


こんちわーっと残りの天使たちが続く。




「お察しの通り、あなたは死にました。なぜ死んだか覚えていらっしゃいますか」


「いえ…」


なるほど、ね。と呟きスクラムをとく。推理中の探偵のように、僕の周りをゆっくりと歩き始めた。残りの天使たちもそれに続く。




「あれはあまりにも突然の死でしたね。大変お気の毒でした。」


「はぁ…」


「あなたはご自身の死の真相を解き明かし、ベタですが生き返るか、このまま天国で生まれ変わりを待つか選ぶことが出来ます。どちらがよろしいですか」




唐突に2つの選択肢を突きつけられる。こんなベタな展開あるんだな、と驚きよりも関心が勝ってしまった。


死者にとって、でかいチャンスなんだろうな。少し考えてみたけど、結局僕は、生きるとか死ぬとか、どうでも良いな…。




「うーん…あんまり興味ないな…このままここで暮らすよ」


「えっ?!こ、こんな適当な死者は始めてだ!!やる気がなさすぎる!突き落とせ!!」




おー!といって天使全員で突然僕を担ぎ上げた。




「そりゃー!」


勢いつけて、僕を雲の上から思いっきり投げた。


二度と来んなよー!と言って親指を下に向け、舌を出してる天使たちがどんどんと遠くなっていった。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

どうでも良い @kyabetu_kun

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る