第4話 説明します

【別世界 命を救いますか?】


やりますとは言ったものの何をしたらいいかわからない。簡単に答えて良かったのだろうか。内容も聞かずに答えてしまった。詐欺にすぐ騙されるタイプだなと自分で思った。聞かなくては。

「で、天国に行く為にはどうしたらいいんだよ」

まぁなんとかなるだろうと甘い考えはここまでだった。

「今からの話しを聞いたら断る事はできません。よろしいですか」

天塚恵の顔つきが変わった。天国には行きたいので黙ったまま、唾をゴクリと飲み込むのと同時にゆっくりと頷いた。

天塚は真っ白な世界の真っ白な空に向かって人差し指を真っ直ぐ突き出した。そして空に丸を描いた。一メートル上からバスケットボールほどの真っ暗な穴が開いたと思った瞬間に、中から何かが落ちてきた。それは、黄色いノートと白黒のカスタネットだった。その二つを見て何をするか全く検討がつかない。

「これで何するんだ」その二つを見つめたまま言った。

「まず黄色いノートですが、簡単に言えばこれから行うことの説明書です。私が説明するよりきっと解りやすいでしょう。質問があれば答えます」

誠が黄色いノートを拾い上げ開いた。中は箇条書きで記されている。


・指定された命を救う


・霊体では何も触れられない


・時間が止まっている間は触れる事ができる


・誰にも見えない


・命を救うたび二歳若返る


・失敗すると四歳若返る


・悪事を働くと二歳若返る


・三歳以下になると終了


・全てを達成できれば天国


・達成できなければ地獄(生まれ変われない)


・声は現世では伝わらないが、頑張れば伝わる


・命令は絶対


・場所の移動は使者が行う


・契約として心に花を植える


・カスタネットで時間を止められる


・一度叩くと止まり、もう一度叩くと時間がまた動き出す


・止められる時間はトータルで四時間


・何度でも止めて良い


・トータルタイム四時間を超えるとカスタネットは消滅する


あまり解りやすいとは言えない様な。自分の理解力が乏しいのか。とりあえず質問をぶつけた。

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