第63話 自宅、外見だけできた
起きて地下室から出てきたら朝だった。雨降ってるけど。
昨日頑張って屋根張ったのは正解だったね。
でも、おうちはまだまだ完成しないから、当分は地下室のお世話になるんだよなぁ。やっぱ時計必要だね。
着替えとかもたたんで重ねてるだけだから、タンスかクローゼットも欲しいぞ。
洗濯魔法は開発したけど、空中に水球作ってグルグルしてるから排水が出る。下水処理施設欲しいぞ。
欲しいものばっかりだ。
お仕事するのに、まずは砦に出勤。こっちも雨か。
ガイから日報預かって、荷車フライト。
最近配慮が面倒になってきて、高速飛行です。
兵士さんに見られても、領のお仕事してるんだから速度はスルーしてね。
定期便なんだから、荷車飛ぶのは当たり前なんだよ?
風圧で幌部が壊れないように、風防魔法で保護はしてるよ。
監視塔着いたらお客さん来てなかった。
雨降ってるから、荷物の養生で時間取られてるのかも。
監視塔の中でお茶いただきながら、時計の注文。
置時計サイズがいいな。
お茶が無くなるころに荷物と人員が到着。
兵士さん二人は革製のポンチョ着てるし、荷車にも幌が掛けてあった。
正規兵さんは知らない人、見習いさんは魔獣ごっこ遊びのお仲間だった。
雨脚が強くなってたので、魔法で雨除け作って荷物を乗せ換えてあげた。
遊び仲間の見習いさんが寒そうにしてたので、二人とも温風魔法で乾かしてあげたよ。
二人に荷車の幌内に移ってもらって、荷車離陸。
雨脚強くて景色なんか楽しめないので、高速移動です。
見習いさんは歓声上げてたけど、正規兵さんは両手で荷車の縁を掴んでた。
砦に到着しても雨は止んでなかったので、私が魔法で傘作って屋敷内まで荷物を運んだよ。
ガイに連れられて執務室で朝食。
昨日運んだ見習いさんが野菜スープ持ってきてくれたけど、野菜の大きさバラバラで芯が残ってた。
コックさんいないから仕方ないよね。
ガイへのお手紙にノーラの近況報告あったみたいで、私にも教えてくれた。
ノーラ、代官屋敷でめっちゃ可愛がられてるらしい。
ガイのお母さん(代官婦人)の子は男ばかりの三人兄弟。
女の子が欲しかったんだと溺愛してるそうだ。
代官さんもまんざらじゃないみたいで、ノーラを養子にしようと画策してるらしい。
今はカレンがノーラに付き添い、屋敷内の単独歩行訓練をしてるんだって。
大事にされてるみたいでよかった。
砦から自宅建築現場に戻ったけど、まだ雨は止んでない。
まだ窓が嵌ってないので、おうちの中がちょっと濡れてる。
面格子はまだ入手してないけど、窓ガラスは作れる。
なので窓ガラス作り始めました。
地下から材木と石材引っ張り出し、石材から石英ガラス作って木枠にはめ込みます。
面格子嵌める予定なので、おうちの窓はすべて内開き。
蝶番作りだけでお昼までかかっちゃったけど、午後から窓を取り付けました。
隙間風入らないように壁と窓枠を調整しながら窓を取り付け、何とか夕方までに全部の窓取り付け終了。
外見は廃墟から新築のおうちに近付いたけど、まだ玄関と裏口にドアが無い。
クルミの木を探しに、急遽森へ。
ぱっと見では分かりにくいので、地面に落ちた実を目印にします。
探してうろうろしてたら、オオ魔に四回遭遇。
サクッと倒したけど、四回とも単独で巣穴から出て来たみたい。
オオ魔は集団生活しないのかな?
何とかクルミっぽいの見つけたので、また桃〇白して戻ります。
カラ魔が途中で追ってきたけど、スピード勝負で振り切りました。
私、頑張った。
できたドアはウォールナット製で、玄関は両開き、裏口は片開き。
扉の上半分に、石英ガラスのロートアイアン付きアーチ窓。
デザインに凝りすぎて、お外は真っ暗、家の中も真っ暗。
工事用照明サイズの光球浮かべながら、結構遅くまでかかってやっと完成。
でも、ドアラッチの構造知らなくて、スライドバレルボルトっす。グスン。
これでおうちの外観はできたはずだけど、真っ暗で全景見えねえ!
疲れた。お風呂はパスして食事だけして寝よう。
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