第9話 魔法開発①
朝来たー。
お、今日は五匹もネズ魔入ってる。罠がパンパンだ。
この近辺、ネズ魔いっぱいいるんだな。
うりうりぶすぶす。
えーと、次のレベルアップまで、多分あと一匹。
その次は多分十六匹だから、一日平均四匹として四日かかるな。
ちぇー、毎日上がってよー。
さて、今日は下駄作ろう。
転生して今日で五日目。寝る時とお風呂以外、ずっと靴を履きっぱなしなんだよ。
転生当初から履いてる靴は、靴っていうより革製の足袋に近い。
ここって気候的に暖かいみたいだし、なんか靴の中が蒸れそうなんだよね。
だから下駄作ろうと思ったの。
弓鋸(弓の弦部分が歯になってるやつ。糸鋸に近い形)あったし、T字型の錐もあったから、頑張れば作れるよね。
…浴衣用の下駄みたいなの作ったんだけど、木のささくれが痛い。
粘土塗って布で何度も擦って仕上げたよ。
当然のように午前中がつぶれた。
昼食は…いつも通りです。
だって、ずっと作業してたから、作る気力がないんだよぉ。
午後はベッド作った。
毛布畳んでシーツに包み、長椅子に置いただけなんだけどね。
だって本物のベッド置いてあるの二階だし、でかくて重いから武器庫まで持って来れそうにないんだもん。
簡易ベッドづくりの後は、魔法の開発したの。
五歳の幼女が剣持って魔獣と近接戦闘なんて、たとえ力が強くなっても、体重軽いから剣に振り回されるだけだ。喰われる未来しか見えん。
だから何とか遠距離攻撃できないかと思って頑張った。
矢や銃弾が魔物に効きにくいのは、単純な物理攻撃だけだと魔物の魔力による防御膜を突破できないから。
反対に近接武器が効くのは、武器自身に自分の魔力を流しっぱなしにして、魔物の防御膜をこちらの魔力で相殺するんじゃないだろうか。
じゃあ、魔物の防御膜を破壊する魔法を撃てばいいんじゃない?
アロー系の魔法をイメージしてみたけど、いろいろとダメだった。
炎の矢はすぐにできたのに、防御膜を破壊する矢は形にならなかった。
炎の矢すら、飛ばしたら4mくらいで霧散したし。
試しに5m先に炎の矢を作ろうとしてみたけど、矢はできなかった。
3mだと、魔力いっぱい使えばできた。
これって、私の魔法の有効範囲が4m以内ってことじゃない?
4m超えると魔素の干渉ができなくなって、形を維持できずにただの炎になって消えちゃうとか。
いろいろ試してみて、防御膜破壊の矢はなんとかできた。
まず、魔力量がかなり必要なの。
これは魔力増し増しで何とかなったんだけど、サイズがすごくしょぼかった。
鉛筆サイズのボルトをイメージしたのに、出来上がったのは爪楊枝サイズなの。
見た目は透明で、水鉄砲から出た短い水みたい。輪郭揺れてるし。
一応レンガを置いて魔法で撃ってみたけど、傷一つ付かなかった。
…そうだよね。魔獣の防御膜を破壊する魔法であって、物理衝撃を与える魔法じゃないもんね。
剣の場合、防御膜を壊す魔力を纏ってるから、防御膜が壊れたところに剣自体が当たって物理的衝撃を与え、魔核を割るんじゃないかな。
せっかく作った魔法だけど、この魔法じゃ魔物は討伐できないな。
うーん……。
じゃあ防御膜を破壊するんじゃなくて、当たったものを破壊する矢ならどうだろう?
そうすれば最初に防御膜を破壊することで先端が消費されても、矢のような形状の魔法ならシャフトの部分が魔核に当たって破壊できるんじゃないか?
試してみたら、レンガに穴(へこみ?)は開いた。直径深さとも5mmくらいのが。
でも、やっぱり4m以上で霧散してしまう。
先に私の魔素干渉領域広げるべきか?
しかもこれ、魔物に効くのかどうか分からん。
明日、ネズ魔で試してみよう。
お風呂のお湯張ろうとしたら、魔力回復してなくて、十発しか撃てなかった。
また今日もお風呂に入れそうにない。
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