第7話 初レベルアップと服づくり
朝来た。
昨日は襲われることも無く、わりと良く眠れた。というより、長椅子移動で疲れてて泥のように眠った。
武器庫、扉以外壁だから、外の音があんまり聞こえなかったのが良かったか。
やるな、武器庫。しばらくここで寝よう。
朝一、石壁の穴が気になって真っ先に見に行った。
ネズミ魔獣、三匹もかかってた。
でも、罠の外には出したくないから、朝食摂りながら討伐方法考えた。
台所に金属の串(多分串焼き用)があったので、金属筒の穴から突っ込んで、自分の魔力を串に流しながら、なんとか討伐した。
一匹目を討伐した時、ふっと身体が軽くなった。
レベルアップしたかもしんない。
そうだとすると、昨日未明の乱闘? 討伐と合わせて二匹。
一回目のレベルアップは、ネズミ魔獣二匹なのかな?
スタートがレベル1なら今は2か? 覚えておこう。
今日は午前中にお風呂掃除。
昨日作った掃除道具(木の棒に布切れくくり付けただけ)で、二段木箱の踏み台に座ってゴシゴシお掃除。
後は水球作って流しておしまい。
でも、今日はお風呂入れない。
朝、顔洗うのに水球二発使ったし、今も樽内洗い流すのに八発使ったし、樽の中は空っぽだから。
半分お水入れるだけでも水球百発くらい要るから、どう考えても魔力足りないもん。昨日はニ十発くらいで魔力枯渇しかけたから。
今日は樽内の踏み台作るんだ。
マッパで樽をよじ登るのは、もう嫌だ。
悩んだ末、樽内の踏み台はボツにして、細長い鉄製面格子の切れ端?を樽の中に立てかけ、梯子代わりにしました。
だって木の踏み台じゃ浮いちゃうし、石材あったけど重すぎて動かせなかったんだもん。
悩んで倉庫の中を漁ってたら、縦長で5cmくらいの網目の鉄製格子の切れ端らしきものを見つけたの。
どっかで見たなと思ったら、この砦の窓、みんなこの面格子付いてたよ。
この面格子の切れ端を倉庫から持って来て樽に入れるだけで、多分一時間くらいかかった。
幼女ボディには重過ぎだよ。
そしてお昼。
ふと思い付いて、台所の壁に掛かってるフライパンを魔法で浮かせてみた。
浮いた。
朝のネズミ魔獣退治でレベルアップした可能性あったから、再チャレンジしてみたの。
レベルアップのせいなのか魔法を使い慣れてきたからなのかはわかんないけど、これで料理ができる。
喜び勇んで昼食準備始めた。
…パンケーキ焼くだけで一時間以上かかった。
薪の竈って、不便だ。
しかも卵も牛乳も砂糖もベーキングパウダーも無いから、具無しのお好み焼きみたいになった。
バターはあったから見た目は薄いパンケーキだけど、また塩味だった。
でも、ふやかさずに食べられる温かい食事。
ちょっとだけ嬉しかった。
午後からは服作り。
だって幼女用の服、ワンセットしか無いんだもん。
特に下着は早く作らなきゃ。
今は男性用ショートチュニックをワンピース代わりにしてるだけだから、お股がスース―します。
肌もチクチクするからキャミソールも欲しいし。
ハサミ切りにくい。
切れ味悪い上に幼女の手にはでかすぎる。
結局、果物ナイフみたいなの使って木製テーブルの上で裁断しました。
縫い針も糸も太いし、木綿っぽい生地だけど織り目荒い。
幼女の敏感お肌には辛いかも。
……パンツとキャミソール二セット作るだけで夕方になった。
今から薪竈使うのはしんどい。
またふやかしたカチカチ棒になった。
夕食食べながらお風呂にお水貯めておこうとしたら、水球四十一発撃てた。
やっぱりレベルアップしてそう。
明日、お湯水球ぶっ込んだら、お風呂入れそう。
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