第16話 くだらないねー?
「王都―?」
「そうだ、王都だ」
「隙あり!」
「…なぜ貴様らは一々、言葉にするのか」
「ぐはっ」
え、今どこにいるのかってー?
今は森の一角、元ゴブリンの集落、つまり、いつもの場所だねー?
そこで、今はおじさんと、なんか知らない間に仲間になったスタンピードの黒幕、バステト君が模擬戦闘をしているよー。
わー、おじさんの蹴りがバステト君の顎に直撃したー。
「くっ…というかなぜ僕だけ模擬戦闘をさせられているんだ!格闘ならミナミの方が経験不足、実力不足だろう!」
「このテロリストー、文句いわないのー」
「てろりすと???なんだそ…グガっ!」
「よそ見をするな」
おー、今度はおじさんの肘がバステト君の顔面にー、いたそー。
「で、おじさんー、なんで次は王都に行くのー?私的にはしばらくラルトにいるつもりだったんだけどー?」
「…今、この国の王都が…滅びようとしている」
「…滅びる―?」
穏やかじゃないねー?
「…王都の住民が、覚めない眠りに次々と落ちているのだ」
「覚めない眠り?なにそれー?死んでるのではなくてー?」
「いや…本当に眠っているらしい」
ふーむ?よくわからないねー?
あれ、そういえばバステト君はー?あ、完全に気絶しているねー?
「…今日はここまでだな」
「そだねー」
そのまま気絶したバステト君を担いだおじさんと帰路に就く。
と、いうわけでー、数日後―だよー。
私たちは今馬車に揺られてこの国…国名なんだっけー?まあいいや、とにかく、首都である王都に向かっているよー。
「…くそ、なんで僕がこんな目に」
「まだそんなことをいってるのー?バステト君―?」
「…ミナミ、君も獣神族の誇りというものをだね」
「どうでもいいねー?」
「…っち」
「ところで、おじさんさー」
「…なんだ?」
「そのさー、王都で起きている問題って、私たちって役に立つのー?」
「…ああ、この件の首謀者が奴なら…俺たち…いや、お前が必要になる」
「…私?」
「…その時になれば…わかる」
よくわからないけどー?まあ、おじさんがそう言ってるならいいかー。
「ここはー?」
あれー馬車に乗っていたはずなのにいつの間にか、どこかの建物の中にいるー?
って、ここって、元の世界の私の家―?どゆことー?
とりま鏡を…うん、ケモミミ美少女のままだなぁー?
夢かー?それにしてはリアルだねー?
と、私の部屋の扉が開かれる。
「お兄ちゃん!」
「…舞」
私のー?私の妹だ。
「南、帰ったぞ!」
「…父さん」
私の父さん
「南、ただいま」
私の母さん。
私の…家族。
…そうーねー?
「ミョルニル」
私はミョルニルを呼びだし。
「にいちゃ…ぐぎゃ」
「南!?なに…がぎゃ」
「あぎゃ」
それらを粉砕する。
起源魔法の一撃を受けたただの一般人は爆散し即死する。
―ふむ?お前が心の底から求めたものだったのではなかったのか、あの人間たちは―
「くだらないねー?くだらない」
ほんと、くだらない。
「私は家族を愛していたんだよー、だからねー…殺した」
―矛盾してはいないか―
「矛盾してないよー?だって、正当防衛だったからねー?」
―む?―
「だからねー、そんな私の家族を利用しようとするやつにはねー?正当防衛が成立するんだよー」
―ほう、つまり、私をも
「ラグナロク」
そう私が唱えると、閃光とともに「夢の世界」は消え去った
「おい」
「うん?」
バステト君が私の肩を揺らしてるー?
「もう起きろ、王都が見えてきたぞ」
「あれがー王都―?」
見え始めたのは巨大な城壁に過去れた都市、中心部には巨大な城と思われるものが建っている。
へぇーかなり大きいねー。
あ、そうだ。
「おじさん」
「…なんだ」
「今回の敵はー?…私が殺す」
「…っ!?」
突然放たれた殺気にバステト君が後ずさる。
「…出会ったか」
「…そだよー」
「そうか、なら勝手にしろ」
「うん!」
「おい、全く話についていけないのだが」
「そのうちわかるよー」
「…はぁ、まあいいよもう、元々そんな興味ないし」
そんなわけで、私たち一行を乗せた馬車は王都へと入っていく
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