第4話 ギルドでのあれこれー

「お、おいミナミ!」


後ろからジャンキーの焦ったような声が聞こえてきた。


「なに、ジャンキー?」


「もう、突っ込まねぇぞ…それより!すいません!アンドレイさん、こいつ、いろいろと常識がなくて」


アンドレイ?このおじさんの名前かなぁ?


「こっちに来い!ミナミ」


そのままジャッキーにギルドの受付付近にまで連れられる。


「…なにをそんな焦ってるのー?」


「なあ、ミナミ、お前、道中聞いた話だと記憶がなく、いつの間にかあの森にいたって言っていたよな?…ということはしばらくこの町で暮らすんだろう?」


「まあ、そーだね」


「なら覚えておけ…あのおっさんは「不動のアンドレイ」、数多の冒険者の中で数人しかいないSSランク冒険者、この都市で絶対に怒らせちゃいけねぇ人だ…この町の領主すら遠慮するほどだ」


「へー」


あのおじさん、どうやらすごい人らしいね…でも、あの現代チックな戦闘服、気になるなぁ。


「とにかく!この町で平和に暮らしたきゃ、あの人には近づくな!…あと、それとギルドと話しがついた、だからあとはお前が話してこい、ほら、いけ」


「はーい」


そのまま、受付の前まで行く。


「あなたが…ホブゴブリンを殲滅したっていう、ミナミちゃんね?」


受付のお姉さんが話しかけてくる


「そうです」


「…にわかに信じがたいけど、まあ、人は見かけによらないっていうからね…それよりあなた、記憶喪失で身寄りもないだって?」


「そうです、だから、冒険者にしてくださーい」


「…条件的には、問題ないのだけれど、冒険者は危険な職業よ?本当にいいのかしら?」


「うん、いいです」


さっきの戦い?で自分がある程度強いことはわかった。問題ないだろう、多分。


「…じゃあ、これから冒険者について説明するからよく聞くのよ」


「らじゅー」


「…まずはね、


受付のお姉さんの説明はこうだ。


冒険者になるのに必要な資格は特にない。銀貨1枚を払えばいい。ザルだねー?


冒険者にはEランクからSSランクまである。


Eランク、つまり冒険者になるのは簡単だが、Dランク以上になるのにはある程度の実績と審査に通ることが必要とのこと。なるほどねー。


冒険者には所属都市の魔物襲撃からの防衛に参加する義務があるということ。


通行料は免除されるということ、防衛に参加する義務がある代わりにってことかな?


魔物の素材や薬草などは常に冒険者ギルドの窓口で買い取りをしているということ。買取の値段はその時々らしいけどねー。


依頼失敗にはペナルティーがある、ということ。そりゃそうだよねー。


その他にも、まあ色々とだねー。


詳しくはこれを読めと冊子を渡された。この世界、紙は割と安価で流通しているっぽいね。


「…ちゃんと、冊子を読み込むのよ?」


「はーい」


「あとこれ、なくさないでね?」


そして渡される、金属製のカード。


「これは?」


「冒険者の証、冒険者カードよ、これを提示すれば通行料を免除されるわ」


「へー」


「とにかく、おめでとう、あなたはこれでEランク冒険者よ」


おー、ついに冒険者になったね、ちょっと感動。


「…あなた、ちょっとアホっぽいから心配なのだけど、まあいいわ、それより、お金はそこそこあるんでしょう?」


「うん」


「今日は私が紹介した宿に泊まること、いいわね?明日、ホブゴブリン討伐の報酬が出るから、必ず来るのよ?」


成り行きで殲滅したのに、報酬が出るのか、らっきー。


そのままギルドを出て、宿に向かう私。


そういえば、良介と凛はどうなったんだろうね?まあ、あの二人なら多分大丈夫かなー?


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