第37話 田宮二郎

ふと、目に入った画像が、田宮二郎と勝新太郎に見えて、思わず二度見する。


 ふと、勝新太郎は女形だったことを思い出す。


 おやま。


 男が女を演じる。


 稽古場で、成り手のいない女形を演じていくと、自分自身の性別が、境界を超え、ある日、女同士のほうが話しやすいのに気がついた。


 こちらが女同士だと思って気軽に話し続けて行くと、男からは、嫉妬を受け、男に愛情を感じるようになった。


 それは、稽古場で女を演じていくうちに、女になっていっただけなのか。

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