第20話
20話
東日本大震災の後、就職活動のため、スーツを着ようとすると、突然、恐怖に襲われた。喪服に近い、黒いスーツは、嫌な記憶を思い起こし、ネクタイは、まるで、自らの首を絞める、拷問用具にしか見えなかった。
たとえ、SM、拷問をされることが好きであっても、喪服を、死体を踏み越えて、社会に出る気にはなれなかった。就職活動に出れば、がんがんに空調装置は強く吹きつけ、東日本大震災などなく、そんなもんなかったように、茨城は、千葉は、山梨は、そう、福島ですら、一部しか取り上げられず、結局、東日本大震災で救われたのは一部だけだった。
誰かが言った。
私は、こう聞いた。
茨城は、見捨てられた、と。
東北でも、金が、物資が、届いたのは一部だった。
この時から、日本は、日本人に金を使わなくなった。
在日コリアンにでさえ、正確には、日本に忠誠を誓う、日本に貢献する、控えめな外国人にすら、金を使わなくなった。
代わりに入ってきた、ハゲタカを喰らう、吸血鬼に、国は乗っ取られた。
と、私は、考えている。
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