第4話 ダンジョンボス

 入り口から三部屋目を覗き込むと、そこにいたのはスケルトンだった。

 それも革の鎧と銅剣を身に着けたスケルトンだ。


 ……代わり映えしないなぁ。

 順調に強くなっているようだが、それでもスケルトンであることは変わらない。

 まあスケルトンが相手ならマシか。

 いきなりゴブリンとかじゃなくて。


 きちんと装備をしているということは、装備相当の強さがあるということだ。

 なまくら刀では鎧を貫けなさそうである。


 ならどうするかというと。

 召喚スケルトン突撃&《火遁・弾》✕2ィ!


 召喚したスケルトンを部屋に突撃させながら、MPの残りを全部使って《火遁・弾》を二発叩き込む。

 こちらを見ていたにも関わらず、召喚したスケルトンに気を取られた鎧のスケルトンはもろに火の玉を食らって大きくよろめく。


 それで頭部や防御に使った腕などの骨にヒビが入った。

 前の部屋のスケルトンと比べても硬い。

 だが、確実にダメージは入っている。


 召喚したスケルトンが殴りかかるが、銅の剣で受け止められる。

 鍔迫り合いっていうか、武器をぶつけ合って弾いている感じだ。


 今のうちに横から首の骨を狙って……突きを放つ。

 前の戦闘でジョブの力がなじんだからか、その動きもだいぶ良くなっている。

 

 が、鎧のスケルトンは首をそらして攻撃を回避。

 しかも空いた腕でパンチしてきた。


 もろに鳩尾に食らって、大きくHPを減らす。

 ざっくり1割ぐらい減ったぞ。

 鳩尾に入ったからだろうか、それとも防具が貧弱だからだろうか。

 痛みはなく、行動が阻害されるような感じはないが、下手に喰らい続けると不味い。


 鎧のスケルトンはこちらを見る。

 剣を振り上げこちらを切ろうと動き出す。


 振り下ろされる剣をシノビ刀で受け止める。

 強引にそのまま抑え込み、召喚したスケルトンに後ろから殴りかからせた。


 バコ、という音とともに、鎧のスケルトンの頭蓋が陥没する。

 鎧のスケルトンは首を召喚したスケルトンの方に向け、だがなにも出来ない。


 武器は抑え込んでいる。

 スケルトンに武器を捨てて戦うなんて知性は流石にない。


 もう一度。

 召喚したスケルトンに棍棒を振り下ろさせた。

 砕け散る頭蓋。

 そのまま光の塵になり、一枚のカードを残して消えた。


 それと同時に、2つの宝箱が出現。

 その奥に入ってきたときと同じデザインの扉が現れた。


 カードは【革の鎧】だった。

 カードを装備することで革の鎧を呼び出して身につけられる……か、CAPが0の装備を強化できるらしい。

 CAP消費が0の装備はあくまでジョブの力の一部ってことなんだろうか?

 だから装備カードを入れて強化できる、と。

 【革の鎧】のCAP消費はスケルトンの半分ぐらいだが。


 宝箱の中身はぁー、と。

 片方は【魔石】が2つ。

 もう片方は……【スライムの地底湖】というダンジョンカードだった。


 新しいダンジョンかぁ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る