『半袖』
洞探検英吉
2021年7月
「関本さんって、夏でも半袖着ないですよね」
七月の初旬のこと、関本純一は会社の後輩のそんな一言であることを思い出していた。
社内でクールビズが始まり、半袖のブラウスを着用していた後輩を見かけ、もうそんな季節になったのかと思い声をかけたのがきっかけだった。
(―言葉たった一つで思い出すなんて、我ながら女々しいな)と自分を憐れみ嘲笑しながらも、関本の脳裏にはしっかりと記憶が呼び覚まされていた。半袖を異様に嫌っていた一人の女性と、かつて確かに自分にあった特異な感覚のことを。
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