第9話 剣と魔法にありがちなあからさまに強いボス級の定番敵キャラクター骸骨騎士と目にも止まらぬ速さを持ち味とする気高き青い騎士の一騎打ちが始まろうとしている!!!!!

 ────そして頭には王冠。誰がどう見てもガイコツの王と分かるだろう。




 ガイコツ騎士が乗っている馬もただの馬ではない事がひと目でわかった。


「全身は真っ黒の目はまるで未確認生物ジャージーデビルのような風貌をした馬だ」


 青の兵士の前まで来たガイコツ騎士は、乗っていた悪魔のような馬の歩みを止めた。

 歩みを止める際、馬は聞いたことも無いような鳴き声をあげながら止まった。


生き残った人間の兵士達は、一目散に指揮官の居る本陣へ逃げ戻る。


「そもそもあれは馬なのでありましょうか!馬というにはあまりにも大きすぎる!神話のレリーフに刻まれた怪物がそのまま飛び出てきたと言われても違和感がない!」


 ガイコツ騎士は2メートルはゆうに超えているであろう巨体だが、馬のような何かは更に大きかった。

 現実の動物で例えるとサイぐらいの大きさだ。


 ガイコツ騎士は丸太ぐらいならひと振りで切断できそうなくらい鋭利で禍々しい長剣を右手に持っており、至る所にドクロの装飾が入った頑丈そうな鎧と黒いマントを身につけていた。


「さあ近くに来てみると想像以上に大きくそして異類異形な相手ではありますが青き戦士は怖気付いてはいないでしょうか戦意喪失してはいないだろうかこの見るからに手強そうな敵にどう立ち向かうのでありましょうか」


 古舘の実況もヒートアップしていく。

 さっきからずっと指揮官は古舘の事ばかりを見ているようだ。




 先に仕掛けたのはガイコツ騎士だった。

「マントを青の兵士に投げつけた!」

 音速の剣筋でマントを細切れにする兵士。


 が────


「ガイコツ騎士が消えた!!!」

 馬だけ残して騎士が一瞬で消えた。

「上だ!!」

 古舘の実況に反応したのか、ナスカが上を見る。

 ガイコツ騎士はナスカの頭上に跳んでいた。

「速い!長剣を両手持ちにし頭上から振り被ってきた!!!」

 数々のプロレス試合を実況してきた古舘は速い展開には慣れているので口どころか動体視力と反射神経がついて行く。

「……」

 先ほどからずっとこちらを見ていた指揮官が口を開いた。



「……古舘さん?」


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