わたくし古舘伊知郎が転生した先はドラゴン大山脈な怪物ひしめく異世界なのでありました!
りーしぇん
第1話 青天の霹靂とはまさにこのことでありまして
彼の名前は古舘伊知郎。
様々な分野のアスリート達が繰り広げる激闘を目に焼き付けてきた男。
生ける伝説とさえ呼ばれる名実況者だ。
…カチッ、ジリリ……!
6時ちょうどにセットしたアラームを鳴った0.5秒後に止める。
「さあ今日も元気に行きましょうか」
誰に対してでもなく、起床直後に口走る文言を呟くと、続けて───
「まるでリングインするプロレスラーのようにベッドから降りる!」
立ち上がる古舘。
軋むベッド。
「さしずめベッドアウトであろうか!」
ドン!と音を立てて右足から着地する。
洗面所に向かい顔を洗う。
そして鏡に向かって滑舌の練習。
「かえるぴょこぴょこ────」
古舘の日課である。
・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
数分間滑舌の練習をしたあとは颯爽とスーツに着替え、冷蔵庫にある10秒チャージニトロという栄養ゼリーを飲むのもルーティンとして決めている。
チャージニトロの容器には、この日共演するSTORMsの桜庭翔くんが印刷されている。
「良い顔だ。翔くん」
そして古舘は家を出た。
古舘は走って通勤する。
「さしずめ走り方は杉下右京であろうか」
独り言が癖ででてしまう。
もとい実況だろうか。
この先は信号がある。
だが古舘の行動は毎日寸分たがわないので、渡る際歩行者信号が赤になった事はない。
「古舘いつも通りスクランブル横断であります!」
古舘語録を炸裂させながら右京さん走りで横断していたその時だった。
ブォーーーーン!!!!
「大きな音さしずめライオンの咆哮のようだこの音の正体はなんだ」※
古舘は早口で(※0.2秒)聴覚で感じたことを説明し、音のする方を見た。
信号無視の大型トラックだった。
猛スピードで迫ってくる。
「なんとあれは大型トラあべしっっ!!!」
古舘の意識は、一瞬で途絶えてしまった────
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