神の会話
『やっと加護を使いこなし始めたか。使いこなしていれば楽に勝てたものを』
戦いの神がそうつぶやく。しかしその声にはどこか不満そうな色があった。
『やはりあの程度の相手だとあまり追い込めないな。もっと強くしたほうが』
『それはダメよ』
そこに割り込む声がする。
『ほかの子たちが勝てなくなっちゃうでしょ』
『癒しのか。』
どうやら癒しの神の声のようだ。
『そうは言うがそれだと強い子にとっては簡単すぎる。それだと試練にはならんだろ』
『それこそ弱い子にとっては難しすぎて別の意味で試練にならないわよ』
その後も言い争いの声が続く。それをしりめにまた新しい神の声がする。
『またあの二人は言い争っているのか』
『まあ仕方ないんじゃない? 戦うものと治すもので性質が逆なんだから』
『戦いのが管理してるダンジョンなんだから口出しするのもどうかと思うけどなー』
どうやらこの言い合いはいつものことのようだ。
『それにしてもあの者は強いな』
『そうね。それにしてももっといい武器防具をしてほしいとは思うけど』
『それを言うならもっと魔法を使ってもらいたいものだがな。魔法補正のスキルがあるから多少動いても使えるじゃろ』
『まあ僕はどうでもいいけどねー。それよりあの計画はどうなってるのー?』
『まあ順調じゃぞ。こうして話すことができる程度には余裕じゃな』
『そんなだから貴様はなまっちょろいと言われるのだ!』
『あなたのほうこそ野蛮なのよ!』
『なんだとこのショタコンが!』
『なによこの男の娘好きが!』
『はぁ。さすがに仲裁してくるか。見るに堪えん』
『そうね。行きましょうか』
『いってらっしゃーい』
『おぬしも行くのじゃ!』『あなたも行くのよ!』
『ちぇー』
案外世界は平和なのかもしれない。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
読んでいただきありがとうございます!
よろしければ☆評価とフォローを頂けると嬉しいです!
どこが面白かったかなどコメントしてくださると勉強になります!
これからもこの作品をよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます